8 ページ22
・
澤村「だな」
『足し算になればいいなと思ってたのが、掛け算になった感じですね』
澤村「・・・未熟でも天性のスピードやバネを持っている日向」
「その能力を高い技術で完璧に活かす影山」
「互いが互いの能力を最大限に引き出す」
「これは想像以上にすごいコンビができちゃったのかもな」
澤村「・・・あ、そういえば咲花、中学何処なんだ？」
菅原「あ！そうだよ！今日教えてくれるって言ってたよな？」
「東京の私立ってどこ？」
『あ・・・え、椚ヶ丘ですけど・・・』
田中「進学校じゃねーか！」
『いや！そんな！3年は落ちこぼれのE組でしたし』
月島「確か、去年のE組って月を破壊した怪物がいたって」
『！！！！』
“怪物”
その言葉に反応してしまった。
私は月島に迫り、涙ぐんでしまいながらも叫んだ。
『あの人は・・・せんせーは怪物なんかじゃない！！！！！！！』
『なにも知らないのに、せんせーのことをそんな風に言わないで！！』
『はっ！』
やってしまった。
これは言ったらダメなのに・・・
『ごめん、なんでもない』
菅原「A、一体中学でなにがあったんだ」
『・・・言えません、これは』
菅原「・・・いつか話してくれよ」
と菅原先輩は私を抱きしめた。
普段の私ならすぐに逃げたが、今は逃げようと思わなかった。
このどこにもぶつけられない感情を自分の中で抑えるのが精一杯だった。
『・・・はい(泣)』
澤村「大丈夫か、咲花」
『はい、すみません』
『菅原先輩も、すみません』
『私の涙でジャージが』
菅原「気にすんな！大丈夫だべ」
私は二人に軽くお辞儀をしてから清水先輩の方へ戻った。
清水「大丈夫？」
『はい、中学のこと・・・せんせーのこと言われたら抑えられなくて』
すると、清水先輩は私を抱きしめた。
『え？』
田中「潔子さん？」
清水「大丈夫、Aちゃんは私が守るから」
『先輩！』
私は先輩から離れ、お礼を言う。
『そう言ってもらえて嬉しいです』
清水「ふふっ笑、Aちゃんには私やみんなが・・・菅原がいるんだからね」
『っ！』
『はいっ！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2024年2月15日 16時
