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Aside
ガコン！
全身に響くような低音で、足元の鉄骨がふいに軋んだ。
『キャッ！』鈴芽「わ、わわ！」
私と鈴芽ちゃんは思わずゴンドラにしがみつく。
下を見る。
地面はずっと遠くで闇に溶けている。
吸い込まれそうになる。
膝が震える。
ゴゴン、と足元がまた軋む。
草太「中に入ろう」
と、落ち着いた声で草太が言い、私たちはゴンドラの中に入った。
・
・
鈴芽「『怖かったぁ〜』」
スイッチが切れた薬袋に足から力が抜けて、私と鈴芽ちゃんはゴンドラの床にぺたりと座り込んでしまう。
草太「はははっ！君たち、姉妹みたいだなっ！よく似てる」
草太「鈴芽さん、ありがとう」
と草太が笑いながら言った。
窓の外には、神戸の街灯りが一面に広がっていた。
あらためて眺めるゴンドラの内部は広くもなく狭くもなく、誰かと一番に親密に過ごせるサイズを慎重に割り出しました。
というような大きさだった。
『ふふっ』
鈴芽「どうしたんですか？」
『いや、草太に告られたの観覧車だったなーって』
草太「おい、A」
鈴芽「えー！ロマンティック！」
『でしょー？笑』
鈴芽「はい！草太さん、ダイジンはどうしたんですか？」
草太「また逃げられた。・・・次こそは捕まえられるさ。」
『・・・ねぇ、鈴芽ちゃん』
鈴芽「え？」
『さっき、後ろ戸の中に何を見ていたの？』
鈴芽「ああ＿＿すごく眩しい星空と、草原と・・・」
鈴芽ちゃんの口から出た言葉たちは私もよく知ったものだった。
草太「『常世・・・だ』」
と、驚いた声で私たちは言った。
鈴芽「え？」
『鈴芽ちゃんには常世が見えるんだ。』
鈴芽「とこよ？」
草太「この世界の裏側。ミミズの棲家」
『そして＿＿＿＿すべての時間が同時にある場所。』
鈴芽「・・・見えるけど入れないの」
草太「常世とは、死者の赴く場所なんだそうだ」
『現世に生きる私たちには、そこは入れない場所。行ってはいけない場所なの。』
『だから、あなたが入れなくてよかった。入れなくて当然なんだけどね・・・』
『だって、私たちはこちらで生きているのだから＿＿＿』
私は涙をこらえたような声で呟くように言った。
草太「A・・・」
私たちを乗せたゴンドラは私たちの重みでゆっくり回転し、その後、地上に降りた。
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
