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Aside
そう言ってもらえたものの、私も鈴芽ちゃんもアルバイト経験がないため、
そこからお手伝いはまさに目が回るような忙しさだった。
入れ替わり立ち替わりする満員のお客さんに対して、店員はルミさんと黒髪のお姉さんと私と鈴芽ちゃんだけだった。
私たちはすぐにたりなくなるグラスとお皿を必死で洗い、
おつまみセットのツナピコとさきいかをひたすらにお皿に盛りまくり、
タオルウォーマーから取り出したおしぼりの熱さに火傷をしそうになり、
まるでいきなり洗濯機に放り込まれてぐるぐると回り続けているみたいだった。
「なんやあ、えらい若い子がおるやん」
鈴芽ちゃんとカウンターの端っこでせっせとおしぼりを畳んでいると。ヒョウ柄のブラウスを着たおばさんが私たちに声を掛けた。
「おばさんと一緒に飲もうや！」
「それよりおじさんとデュエットせえへん？」
スキンヘッドのおじさんが隣から割り込み、あんたまた若い子に！
いやそやかてグへへへと、なんだが夫婦漫才めいたやりとりをしている。
私はよくても鈴芽ちゃんはまずいのではと返答に迷っていると、
フロアから黒髪のお姉さんがグラス片手に颯爽と歩いてきて、
「あら、嬉し、ご馳走になりまーす」
と言って、カチンカチンとグラスを合わせた。
「うわミキちゃん強引、あんたにはかなわんなあ」
「まあミキちゃんでもええか」
ミキ「ええかって何ですか、ボトル入れちゃいますよ」
そう言って笑いつつ、このお店の唯一のバイト女子であるミキさんは私たちにウインクを投げた。
大人たちの社交の緩やかなルールめいたものが、成人して少し経つ私にも、鈴芽ちゃんにも少しずつ見えてくる。
酔って、歌って、大声で憂さを晴らして、無神経なふりをしながらも誰もが誰かのことを思いやっていて＿＿＿＿
「よっ、お大尽！」
ふいに、奥のソファー席から拍手が湧きたった。
「ご馳走になりまーす！」と嬉しそうな男女の声が飛び交う。
私と鈴芽ちゃんは何気なく目をやり、＿＿＿＿え、と目を疑った。
「大尽太っ腹！」
「さっすが大尽、ごちになります！」
わいわいと盛り上がるその場の中心にちょこんと座っているのは＿＿＿
あのダイジン、白い仔猫だった。
「ダイジン先輩は飲まへんのですか？」とか、
「ダイジン社長はさすがに景気がええねえ」とか、
皆が口々に猫に話しかけている。
鈴芽「噓でしょお」
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
