3日目 海峡を渡る ページ26
Aside
『寝起きの悪い人っているよね〜』
鈴芽ちゃんと千果ちゃんに借りたヘアブラシで寝癖を梳かしながら、私は溜息まじりの愚痴を言う。
千果「え？彼氏さん？」
『これ見てっ』
と、私は草太の寝相集を見せる。
千果「え、どうしたらこうなるん？」
『わかんな〜い』
千果「でも、A。そういう時はな＿＿＿」
千果「キスしたら起きるで！」
と得意顔になる。
『やっぱり？』
千果「やったん？」
『寸前で起きちゃったけど・・・』
千果「え〜！」
その後、「学校行く準備せにゃsyわー浴びにゃ二人は朝ごはん食べといで！」
と、千果ちゃんに言われ、二人で食堂でまたしても立派な朝食をご馳走になっていたところで、一緒に食事をしていた弟くんが驚いたような声を上げた。
「なあ、見てみて！こいつすごいわい！」
そう言われて朝の情報番組を映したテレビに目をやり、私と鈴芽ちゃんはご飯を息を同時に飲み込んだ。
画面には【明石海峡大橋に猫！】というテロップと白い巨大な吊り橋が映っている。
そこにカメラがぐいーっとズームしていく。
橋に架けられた太いケーブルの上を軽快に歩いているのは白い仔猫である。
無害なほんわかニュースですよーという声色でレポーターが言う。
《この猫ちゃん、何処から入り込んだのか、堂々と吊り橋を歩いています！》
《SNSではドライブレコーダーに偶然映った姿も話題となっており＿＿＿》
『草太、ちょっとダイジンが！』 鈴芽「草太さん、ちょっとダイジンが！」
私とと鈴芽ちゃんは部屋に駆け戻り、私は子供椅子をもち、ぶんぶんと上下に振る。
『草太！起きてよお〜！』
鈴芽「草太さん〜！」
今回も同様、何度声を掛けても体温と小さな寝息を返すだけで、草太は全然起きてくれない。
振る。振り回す。叩く。畳において手を離す。
椅子は無機物のようにコトンと倒れてしまう。
だめだ。
鈴芽「もおぉーっ！」
鈴芽「・・・！」
すると鈴芽ちゃんはなにか企んだような顔をする。
鈴芽「Aさん。キスしてみてはどうですか？」
『えっ』
確かに、あいつも千果ちゃんも言っていた。
『・・・わかった。』
鈴芽「それじゃ、私あっち向いてますね！」
と言いながらも鈴芽ちゃんの目はばっちりこちらを向いている。
私は両手で椅子の座面を掴み、草太の顔に＿＿顔としての背板に＿＿唇を近づける。
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
