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Aside
「しんから助かったわー、ありがとう！」
茶髪をショートボブにした赤い学校ジャージの女の子が、私たちの手を握ってぶんぶんと振っている。
私たちはその勢いにちょっと戸惑いながら、こわばった笑顔を作る。
「あんたら、魔法使いみたいじゃねえ！一体どうやったん？」
鈴芽「あ、なんか体が咄嗟に動いた・・・？みたいな？」
と、鈴芽ちゃんが曖昧に言う。
「ええ〜、しんからすごいわ！」
「うち、千果。高校二年」
と、彼女が自分を指さす。
鈴芽「あ！同い年！私は鈴芽」
千果「へえ、すずめ。かわいい名前や！あんたは？」
『私は伶奈。22歳のおばさんかな？』
千果「22！？敬語の方がいい・・・？」
『いいよ、タメで。女友達あまりいないから』
＿それから私たちはみかんを食べながらここまで来た事情を話した。
『このみかん美味しい〜』
と、鈴芽ちゃんと伝えると千果ちゃんは嬉しそうに笑った。
『みかん運んでたのは仕事？』
千果「ううん、商品に出せんから、加工に回してもらうんや。」
千果「そんで、二人はその農園に行くところなの？」
鈴芽「え、あ、うん、そう！」
鈴芽ちゃんが慌ててる隣で私はスマホの画面に写真を出した。
『ねえ、千果ちゃん、この写真の場所って＿＿＿』
今、見えてほしくないものが目に映った。
『鈴芽ちゃん、あそこ』
鈴芽「！」
貯水池を挟んだ遠くの山肌で、カラスがギャアギャアと群れている。
その群れを左右に割るようにして、赤黒い煙がゆっくりと立ち昇ってきている。
うっすらと発光しているように見えるそれは＿＿＿私たちにしか見えない、あの巨大なミミズだった。
『ごめん！千果ちゃん！急用思いだした！』
私は足元にいた草太を抱えて、鈴芽ちゃんと横並びで走る。
鈴芽「ミミズってどこにでも出るの！？」
草太「この土地の後ろ戸が開いたんだ！早く閉じなければ！」
『でもこの距離を走ったんじゃ間に合わない！』
鈴芽「そんな・・！」
「おーい！」
背中から、声が聞こえ振り返ると原付バイクに乗った千果ちゃんだった。
私たちの目の前にキュッとブレーキをかける。
『千果ちゃん！』 鈴芽「千果！」
千果「なんや分らんけど、急ぐんじゃろ？」
真剣な顔で、私たちの目を見る。
千果「乗って！」
三人乗りでミミズを追う。
警察に会いませんようにと祈っていた。
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
