2日目 愛媛での猫探し ページ17
Aside
フェリーが無事愛媛まで到着し、背中に草太を隠しながら私たちは船から降りる。
人気が少なくなった頃、カタン。と背中で椅子が動いた。
草太「A？」
『鈴芽ちゃん、おきたよ』
鈴芽「え！」
フェリーターミナルを出ると、そこはだだっ広い駐車場で、その端っこで二人で草太に文句を言う。
日の出から今までの2時間ほど、何度声を掛けても全く起きてくれなかったのだ。
私はなれていたが、そのおかげで鈴芽ちゃんはご立腹だ。
草太「寝てたのか・・・俺」
鈴芽「＿＿まあいいわ。さーて、猫！どうやって探しましょうか？まずは港で聞き込みからかな」
草太「え？」
『ていうか、ここどこ？』
鈴芽ちゃんはスカートのポケット、私はウエストポーチからスマホを取り出す。
よかった、かばんあって。
草太「ちょっと！」
慌てたように言う草太の声を無視して、私たちはスマホを操作する。
『今は八幡浜港』
東に歩けば、市街地。
草太「次のフェリーに乗れば、今日中には家に帰れるだろう。」
草太「昨日話しただろう？それにAも・・・」
「『ああっ！』」
私たちは思わず声をあげる。
草太「え、どうした！？」
『これって・・・』
私は鈴芽ちゃんとみていたSNSの画面を草太に見せる。
そこに投稿されていたのは、電車の座席にちょこんと座っている、あの白猫である。
鈴芽「あいつだよねえ！？」
現在地周辺だけに絞り込んだSNSのタイムラインに、ずらりと白猫の写真が並んでいる。
昨夜は警備艇のへさきに、夜明けには港のもやいの上、
早朝は橋の欄干に、数時間前には駅のベンチに、
数分前には電車内の整理券ボックスの上に。
あの白猫は行く先々であざとく得意げに、人々に写真を撮られているのだ。
『ダイジン？』
白いおひげが昔の大臣みたいで超キュート。
頬ひげの上向きカールがまじ大臣。
そんな投稿がいくつか続き、果ては「#ダイジンといっしょ」というハッシュタグまで発生している。
草太「こいつ、電車で東に移動している。追わなければ！」
草太はそう言って、カタンカタンと歩き出した。
歩きながらギギギと背板を私たちに向け、決定事項を告げるようにクールに言う。
草太「ここでさよならだ。今までありがとう。鈴芽さん。」
草太「気を付けて帰りなさい。いくよ、A」
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
