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Aside
玄関を出ると、女性を鉢合わせる。
「え！誰？！」
『お邪魔しました！・・草太！』
私は女性に一礼をしてから再び草太たちを追いかける。
鈴芽「環さん！ごめん私ちょっと！」
環「あんたが心配で戻ってきたっちゃが！てか、あの美女誰？」
鈴芽「・・・友達！でも大丈夫だから！」
女性・・・環さんと呼ばれていた女性から逃げて、私に追いついた鈴芽ちゃんと横並びで追いかける。
草太は足をもつれさせながら、転がるように坂を駆け下りている。
更にその先から、中学生ぐらいの男女が坂を登ってきている。
と、椅子が前のめりに転び、すざざーっと坂を滑り、中学生たちの前で停止した。
驚く彼らの前で、草太はすくっと立ち上がり、しかしバランスが取れないのか彼らの周囲をぐるぐると回ってしまっている。
「うわあ！」
謎の物体に絡まれ、恐怖の叫び声をあげる中学生たち。
やがてようやく方向を定めることができたのか、草太は彼らから離れて再び坂を下り始めた。
『ごめんなさい！』 鈴芽「すみません！」
スマホで椅子の後ろ姿を撮りまくる彼らに、私たちは突進してしまう。
彼らをかきわけ、椅子を追う。
背中でシャッター音が響くまくっている。
SNSにあげられませんようにと祈る。
草太の先に小さく猫の姿もあり、その先には港がある。
猫の向かう先には、お客さんが乗船中のフェリー。
まさか＿＿＿と、嫌な予感を感じつつも私たちはとにかく走る。
「おーい、鈴芽ちゃーん！どんげしたとーっ？」
鈴芽「えっ！？」
野太い声が鈴芽を呼ぶ。
彼も知り合いなのだろうか。
だが返事をしている場合じゃない。
鈴芽「ああっ、もう！」
私達は草太たちが乗り込んだように、
同じように鉄階段を渡りフェリーに乗り込んだ。
《大変長らくお待たせいたしました。本日正午過ぎに発生した地震により出港が遅れておりましたが、安全が確認されましたので、本船はまもなく出港いたします。》
汽笛が、鼓膜を圧する音量であたりに響きわたる。
傾いた午後の日差しに押されるように、猫と椅子と私たちを乗せたフェリーはゆっくりと港を離れ始めた。
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
