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Aside
私の打撲した部分を彼女は慣れたような手つきで包帯を巻いていく
『慣れてるのね』
鈴芽「お母さんが看護師だったから＿＿ていうか、訊きたいことが沢山あるんですけど！」
「だろうな」
と、草太がかすかに笑う。
鈴芽「ええと・・・ミミズって言いましたよね？」
『ミミズは日本列島の下をうごめく巨大な力。目的も意思もなく、歪みが溜まれば噴き出し、ただ暴れ、土地を揺るがす』
鈴芽「・・・やっつけたんですよね？」
「一時的に閉じ込めただけだ。要石で封印しなければ、ミミズはどこからかまた出てくる」
鈴芽「え・・・また地震が起きるって事ですか？」
と、彼女は不安そうな顔をする。
『大丈夫。それを防ぐのが、私たちの仕事。』
鈴芽「仕事？」
彼女が疑問を浮かべると同時に応急処置が終わった。
鈴芽「ねぇ、あなたたちっていったい＿」
「ありがとう、手間をかけたな。」
草太は、居住まいを正してまっすぐに彼女の目を見、頭を深く下げた。
私もその隣で同じように頭を下げた。
「俺の名前は草太。宗像草太です」
『あ、私は、胡桃Aです。よろしくね』
鈴芽「え！あ！ええと、私の名前は、岩戸鈴芽です」
『鈴芽ちゃん、かわいい名前ね』
「にゃあ」
「『わっ！』」
突然に猫の声がして、顔をあげると窓際に小さな仔猫がいた。
鈴芽「え、何この子、瘦せすぎ」
猫は小さな体で、骨張ってげっそりと痩せていた。
鈴芽「ちょっと待ってて！」
鈴芽ちゃんは駆け出し、戻ってくると
その手には煮干しの入った小皿と水があった。
猫に与えると、慎重にひと舐めし、それからがつがつと食べ始めた。
鈴芽「相当お腹すいてたのねえ」
『君、地震で逃げてきたの？怖くなかった？』
と、私が訊くと
「にゃあ」
と答えた。
鈴芽「かわいっ！」
草太も私の隣で微笑んでいる。
鈴芽「ね、うちの子になる?」
「うん」
「『え？』
返事があった。猫のビー玉みたいな黄色い目が私と鈴芽ちゃんを見つめていた。
枯れ木のように瘦せていたはずの仔猫の体が、いつの間にか大福みたいにふっくらと肉付いている。
耳がぴんと立っている。
「すずめ A やさしい すき」
幼い子供のようなたどたどしい声。
猫がしゃべっている。
まっすぐに私と鈴芽ちゃんを見ていた目は草太に移り、突然に細められた。
「おまえは じゃま」
草太「＿＿＿！」
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名稀ーなきー(プロフ) - RENAさん» ありがとうございます(_ _)更新頻度は低いですが、この作品を読んでくれると嬉しいです！ (2023年2月5日 22時) (
レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - 今日、映画を見に行き全てにほれて夢小説で探しました。とてもおもしろかったです．そしてキュンッとしました (2023年2月5日 22時) (レス) @page47 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
名稀ーなきー(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます！頑張ります(ง •̀_•́)ง次の更新をお待ちくださいm(_ _)m (2022年11月25日 21時) (レス) id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 好きです。 自分のペースで頑張って下さい。 (2022年11月25日 21時) (レス) @page27 id: d245eefcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名稀ーなきー | 作成日時：2022年11月20日 15時
