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剛ははっと目を覚ました。やけにふかふかのベッドだったから、つい本気で眠ってしまった。
時計を見ると朝の七時過ぎだった。やばいやばい、と脳内で独り言を言い、ぐーすか寝ているはだかの客を起こさぬようベッドから潜り出た。
シャワーを浴びたかったが、客に起きられると面倒だった。裸足で床を歩いていると、昨日の残骸を二度踏みつけた。忍び足で客の財布を手に取り、迷って、二万を追加で頂いた。
剛はそのまま服を着て、裸足のままスニーカーに足を入れた。ドアノブに手をかけた瞬間、布団が大きく擦れる音がした。
「あれ、ミチオくん、帰るの？」
「あっうん」
客が眠気まなこでそう言った。
「二万、もらっといたから」
「あーうん、いいよ」
剛はそのままドアを開けてしまいたかった。しかし客は「ねえ」とねっとりした声を出した。
「そんなに急いでどうしたの？」
「か、帰んだよ」
「なんで？朝もっかいやろうよ」
「やんねえから」
剛は素で軽く笑ってしまった。どんだけだよ、と脳内ツッコミ。客は「あ〜そう」と割と簡単に諦めてくれたので、剛は内心ほっとした。一応客なので、ゴネられたらやらざるを得ない。
「ミチオくん、お店やめてウチで働く？」
「えっ？」
客は起き上がってべたついた髪を触り、剛を見たまま言った。剛は声が裏返った。
「好きじゃないでしょ、知らない男とこういうことするの」
「いや、好きだから」
動揺して、自分でも何を言ってるんだと思った。客はくすりと笑った。
「好きで金が要るんだったら朝もやるでしょ。僕が雇っちゃえば店に取られる金もなくなるし、他の客の相手もしなくてよくなるじゃない」
「い、いや、でも・・・」
「最近毎日仕事してるんでしょ？疲れない？」
剛は身体をぐっと固くして警戒した。何を言ってるんだ、こいつは。
「簡単だよ。ウチに来る依頼書通りに仕事すればいいだけだから。身体の仕事よりずーっと楽さ」
「な、なん・・・」
「すぐ慣れるし、あ、ミチオくんぐらいの歳の子も居るから友達になれるかもね。直接手を下すことはないからさ、もうホント、気楽に考えて大丈夫だよ」
「そ、それは、麻薬とか運んだりってこと・・・？」
剛は真剣にそう言ったのだが、客は一瞬ぽかんとした。
「あ、アッハハ！いやぁ、ミチオくんってホント可愛いなぁ」
客は歩いてドアの方まで来た。〈ミチオ〉の金髪を撫で、「また来週指名するよ」と耳元で囁いた。
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Mao(プロフ) - ふきさん» そちらも被災地だったのですね;< お互いがんばりましょう;< (2018年9月13日 2時) (
レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 更新で、嬉しく飛んできたのですが！日常生活は、大丈夫なのでしょうか？お見舞申し上げます。御家族、皆様お怪我ありませんか？こちらは関西なので土砂災害が酷い地域もありますが、どうぞ無理せずお過ごし下さい。 (2018年9月10日 1時) (レス) id: c8a9c28ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - 亮真さん» ありがとうございます！キムチは放送後すぐ書きました笑 書かなければならない気がして...笑 (2018年9月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
亮真 - 一気に読ませていただきました！めちゃくちゃ面白いです。個人的に。健くんのキムチのシーンが忘れられません笑楽しく読ませていただきました！これからも頑張ってください！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: 01b213f1ed (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - ぴとで☆さん» 古い曲ですが名曲です！コメントありがとうございます。遅筆で申し訳ないです！ (2018年8月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mao | 作成日時：2018年8月3日 21時
