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「探しに・・・」
「そう。あのね」
岡田は三人をぐるりと見て、キッと鋭い目で言った。
「長野くんは死んだけど、坂本くんはたぶん、今も地球にいる」
剛と健が、同時にごくりと唾を飲み込んだ。「地球に・・・」と剛が呟くと、岡田が深く頷いた。
「坂本くん、あの時車で一人で逃げたんだ。おれが長野くん抱いて病院まで走ったから。そのあと坂本くんのパソコンが何回かだけ、スマホから遠隔操作された」
「えっ・・・」
「数日経ったらパタリとなくなって、それ以降一度も操作されてないんだけど・・・でも確実に、『あの日』に核のせいで死んだわけじゃないと思う」
岡田は赤い土の上でしずかに瞬きをした。長いまつ毛が真昼の太陽に反射して、少し薄く透けた。
「おれは、ただみんなに会いたくて・・・たくさん探して、剛くんと健くんに会えた。イノッチにも会えた。だから次は坂本くんに会いに行こう、みんなで」
騒がしい街が、研ぎ澄まされていく。
「そして五人で長野くんを生き返らせよう」
健が全身を固くした。剛の目がきらきら揺れた。
「研究所には長野くんが作った国家規定認定AIと、適応する『こころ』のCD-ROMがあるから・・・みんなで力を合わせればきっと出来ると思わない？」
「な、長野くんの身体は・・・？」
井ノ原が恐る恐る聞く。岡田はにやっとして、自信ありげに言った。
「取ってあるよ。長野くんがそうおれにプログラミングしてた。きっと、おれたちが力を合わせて生き返らせてくれるのを待ってる」
岡田は恥ずかしそうに下を向き、「そんな気がするだけ」と言った。
「お、お前・・・」
剛がふらふらと岡田に近づく。健は顔を強ばらせ、家の鍵を手に持ったままぴくりとも動かなくなった。
「お前、そ、そのためにここへ？」
「そう」
「たった一人で、十年も地球に・・・」
「さ、寂しかっただろ？」
岡田は「うーん」と考え、目尻を細めて笑った。
「きっと、ずっと寂しかったんだと思う。でも寂しいって何なのか分からないし、なんで寂しいのかも分からなくてつらかった。でも今はわかる。それに、今は寂しくない」
健は涙をこぼしながら、大きく頷いて言った。
「ねえ、そんなことより腹減った。早く帰って飯食おう」
剛が「あー、もう丸一日以上食ってねえな」と言った。二人と歩き出した岡田が、潤んだ目で「ねえ、おかな空いたね」と笑った。
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Mao(プロフ) - ふきさん» そちらも被災地だったのですね;< お互いがんばりましょう;< (2018年9月13日 2時) (
レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 更新で、嬉しく飛んできたのですが！日常生活は、大丈夫なのでしょうか？お見舞申し上げます。御家族、皆様お怪我ありませんか？こちらは関西なので土砂災害が酷い地域もありますが、どうぞ無理せずお過ごし下さい。 (2018年9月10日 1時) (レス) id: c8a9c28ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - 亮真さん» ありがとうございます！キムチは放送後すぐ書きました笑 書かなければならない気がして...笑 (2018年9月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
亮真 - 一気に読ませていただきました！めちゃくちゃ面白いです。個人的に。健くんのキムチのシーンが忘れられません笑楽しく読ませていただきました！これからも頑張ってください！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: 01b213f1ed (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - ぴとで☆さん» 古い曲ですが名曲です！コメントありがとうございます。遅筆で申し訳ないです！ (2018年8月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mao | 作成日時：2018年8月3日 21時
