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「あれ、久しぶりな顔や」
早朝、木星行きのスペースシャトル乗り場で、光一は手ぶらでやって来た二人を見てにやりと笑った。
「久しぶり」
「ほんま。元気にしとったの？」
光一のことをなんと呼んでいたか忘れてしまうほど、剛は久しぶりに光一に会った。なんだか微妙な空気になる。光一はすごく痩せていた。前に会った時は長髪に流行りの服を着ていたが、今は歳を重ねて少し影のある雰囲気だった。
「説得、大成功したんやないの健」
「あはは。そう、大成功」
「良かったなあ。あかんで、しょーもないことで喧嘩ばっかりしたら。そのうちホントに会えなくなってしまうよ」
光一は剛と健を連れ、堂々とスペースシャトルに乗り込む。健が慌ただしく「え、いいの？」と聞くと、光一は「ええ、ええ。闇市やもん」と当たり前のように言った。
「や、闇市？」
剛は笑ったが、光一は気にせずスペースシャトルに荷物を詰め込む。
「二人とも手ぶら？泊まるところはあるん？」
「大丈夫。俺たちエリートストリートチルドレンだから」
「あっはは、何それ」
「物心着いた時から道端に住んでたから、もうどこでだって寝れるんだよ。それに、とりあえず1ヶ月くらい井ノ原くん探して、会えなかったらまた帰ってくるから」
光一は「俺もそんくらいかなあ」と言った。遠くを見ていた。
「光一くんも帰ってくるの？」
「ツヨシくんおらんかったらねえ。やっぱりこっちのが稼ぎもええし、治安もええから」
「そっか・・・」
死んだ顔の係員がスペースシャトルの扉を閉める。地球にいた頃は、こういう仕事はすべてAIの仕事だった。剛はふと窓の外を見る。誰かに呼ばれた気がした。
〈ごうくん〉
剛は大きく瞬きをする。誰かに呼ばれている気がする。
〈ごうくん〉
剛はシートベルトを外して立ち上がる。隣に座る健が驚いて見上げる。
〈ごうくん、けんくん、こっち見て〉
剛は窓に張りついて外を見る。誰もいない。何も見えない。剛は鼓動が高鳴るのを感じた。確固たる自信があった。
「岡田・・・！？」
「えっ？」
光一が振り返る。健が顔を真っ青にしている。
「開けろ！なあ！」
剛はスペースシャトルの扉を内側からがんがんと叩く。係員が驚いて扉を開けた。その反動で剛は外へ転がるようにして外へ出た。
遠くに、小さな人影がゆれている。剛は地面に座り込んだまま、茂る雑草を強く握りしめてその姿を見ていた。
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Mao(プロフ) - ふきさん» そちらも被災地だったのですね;< お互いがんばりましょう;< (2018年9月13日 2時) (
レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 更新で、嬉しく飛んできたのですが！日常生活は、大丈夫なのでしょうか？お見舞申し上げます。御家族、皆様お怪我ありませんか？こちらは関西なので土砂災害が酷い地域もありますが、どうぞ無理せずお過ごし下さい。 (2018年9月10日 1時) (レス) id: c8a9c28ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - 亮真さん» ありがとうございます！キムチは放送後すぐ書きました笑 書かなければならない気がして...笑 (2018年9月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
亮真 - 一気に読ませていただきました！めちゃくちゃ面白いです。個人的に。健くんのキムチのシーンが忘れられません笑楽しく読ませていただきました！これからも頑張ってください！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: 01b213f1ed (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - ぴとで☆さん» 古い曲ですが名曲です！コメントありがとうございます。遅筆で申し訳ないです！ (2018年8月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mao | 作成日時：2018年8月3日 21時
