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あの日ーー中国が開発した最新型核爆弾『陳核』が投下され、東京の街が一瞬で焼け野原にされた日ーー剛と健は崩壊した核シェルターの中で奇跡的に助かったが、その後二度と他の四人に会うことはなかった。
『陳核』は日本が所持していた核爆弾よりはるかに威力の強いもので、日本に存在する核シェルターの殆どがその威力に耐えられず崩壊した。そのため東京・神奈川・埼玉に住む人間の81パーセントが死亡し、日本は壊滅状態にあった。戦争は終わり、日本は人口が40パーセントも減った。その殆どが北海道か九州に集中しており、日本国内に住んでいる人間は全体で二千万人ほどに落ち込んだ。
みな新しい星へ生活の地を変えているのだ。戦争のない場所へ。お金の稼げる場所へ。家族のいるもとへ。
剛と健は知らなかったが、戦争が始まってすぐに長野は『火災疎開保険』を剛と健にかけていたらしい。二人で月20万円も取られるぼったくりの保険だが、契約内容は【長野の体内にあるペースメーカーが停止して二十秒経った瞬間に係が二人を迎えに来て火星まで送り届け、一年間の住宅保証、健康保険、月15万円以上給付される派遣職をつける】というものだった。
つまり、長野が死んだ瞬間に、二人は勝手に火星へ疎開させられることが決まっていたのだ。
火星まで民間スペースシャトルで移動している間、健は泣きながら「長野くんらしいや」と何度も言った。長野は自分が二人のめんどうを見られなくなった瞬間に、二人を一番安全な場所へ送り届ける準備を万全にしてあった。
あの時同じシェルターに居たはずの井ノ原を、結局二人は見つけることが出来なかった。シェルターの外へ出て焼けた街を歩き回ったが、長野も坂本も岡田も居なかった。そのうち保険会社のAI職員が来て、嫌がる二人を引きずって火星へ連れて来た。健はそのまま与えられた派遣職を、剛は稼ぎの良い男娼に転職し、十年が経った。
四人はきっと生きているーー健はいつも口に出して言い聞かせるように言うが、少なくとも長野は死んでいることは確実だった。そうでなければ『火災疎開保険』が発動しないからだ。
「・・・あの時、三人はどこへ行ったんだろ」
「え？」
健はシメのパスタを頬張りながら、ぽつりと呟くように言った。
「あの時、井ノ原くんは嘘をついてた。三人はシェルターじゃなくてどこか別の場所へ向かってた。俺見たもん、坂本くんの車が車庫を出てくとこ。長野くんも岡田も、後ろの席に乗ってたもん」
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Mao(プロフ) - ふきさん» そちらも被災地だったのですね;< お互いがんばりましょう;< (2018年9月13日 2時) (
レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 更新で、嬉しく飛んできたのですが！日常生活は、大丈夫なのでしょうか？お見舞申し上げます。御家族、皆様お怪我ありませんか？こちらは関西なので土砂災害が酷い地域もありますが、どうぞ無理せずお過ごし下さい。 (2018年9月10日 1時) (レス) id: c8a9c28ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - 亮真さん» ありがとうございます！キムチは放送後すぐ書きました笑 書かなければならない気がして...笑 (2018年9月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
亮真 - 一気に読ませていただきました！めちゃくちゃ面白いです。個人的に。健くんのキムチのシーンが忘れられません笑楽しく読ませていただきました！これからも頑張ってください！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: 01b213f1ed (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - ぴとで☆さん» 古い曲ですが名曲です！コメントありがとうございます。遅筆で申し訳ないです！ (2018年8月10日 1時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mao | 作成日時：2018年8月3日 21時
