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「・・・ざけんな」
手ががたがたと震えた。両手で銃を構え、親父の下顎に銃口を突きつけた。
「ふざけんな・・・」
心臓が跳ねた時、同時に引き金を引く。馬鹿でかい銃声と共に親父はぴょんと飛び跳ねた。血が顔面に飛び散った。
「ふざけんな」
ぐったり倒れた父親の頬に銃を当て、もう1発撃つ。真っ黒の血が吹き上がり、10円玉大の黒い穴が親父の顔に空いた。
「ふざけんな」
手が震えて銃を上手く持てない。3発目は外れた。なんとか撃った4発目は、親父の上腕をかすめた。
「ふざけんな！」
鼻水が垂れ、口に入る。血の味が広がり、唇がブルブルと震え出す。俺は奇声をあげながら、親父に向けて銃を乱射した。白い煙と焼けるような臭いが充満する。親父の身体は蜂の巣のごとく穴だらけになった。床が赤い海になる。
「はあっ、はあっ」
視線を感じ、ばっと顔を上げる。洗い物のたまったキッチンの横に、壁掛けの鏡があった。そこに映るのは、ぼさぼさの金髪を血に染め、肩で息をする痩せこけた落第生であった。
「・・・ナガノくん。兄貴のところへ連れて行って」
俺は鏡の中の自分を見つめたまま、感情の無い声で呟いた。途端目の前が真っ白になり、もう一度目を開けるとそこは知らない場所であった。
「・・・」
太陽がじりじり照らす。嗅いだことのないひどい臭い。焼けた肌の色の子供たちが、笑いながら裸足で町をかけていく。
鉄のような素材で出来た傾いた家が乱雑に並び、道は明らかに整備されていない。理解できない言語があちこちから聞こえてきて、みな俺をじろじろ睨みながら歩いていく。俺ははっとして、血濡れの頭を隠すため上着のフードを被った。
「なんだよここ・・・」
長男のマサユキは二十歳そこそこの若い魔女だ。使える魔法も少なく、人間のふりをして生きていくのもまだ容易い。どこかの田舎でこっそり生きているのだと思っていたが、どうやら魔女差別自体から逃げ出して、どこぞの発展途上国などに亡命していたらしい。
「€%☆°#〒＜→」
背後から低く張った声がした。くるりと振り返ると、右手に食べ物の入った籠を持ち、大きな布を頭から被った背の高い男が立っていた。
「＊☆€#%°々〆」
言葉は全く理解できなかった。男の顔をよく見るため、俺はフードを少し外して血色の髪を露わにする。すると突然男はみるみる表情を変え、小さな声で「えっ？」と呟いた。
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ふき(プロフ) - お疲れ様です。原作とは違う切なさが、翻訳調相まって楽しませて頂きました。写真も臨場感たっぷり。舞台化して欲しい！サカモトくんとゴウが出会う場面がとても好きです。シュガーちゃん達のお話も続きをお待ちしております。 (2018年4月29日 19時) (
レス) id: ada8638135 (このIDを非表示/違反報告)
Mao(プロフ) - ふきさん» ありがとうございます！トニは尊すぎて書くには覚悟と下準備がいるんですよね笑。参考にさせていただきます！ (2018年4月6日 23時) (レス) id: a30f7359e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 捕手には、なれずモラトリアムの闇に、沈んでいた日々。若さと折り合いが悪かった時代を思い出しました。若さって痛みを伴いますよね。楽しみに読ませて頂きます。厚かましいですが、トニにも是非いい物語を！個人的には「スモーク」如何でしょうか。 (2018年4月5日 19時) (レス) id: ada8638135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まお | 作成日時：2018年4月4日 7時
