脱出 ページ9
No side
【21:54――拠点、地下4階手前】
『分からないことが増える一方だなあ』
「…何だか、気持ちが悪いね」
「確かに…いろんな意味で」
情報管理室を出たA達は、3階の構成員を拘束し終え、4階でフロア内の殲滅に当たっていた公安の2人と合流し、5人で走っていた。
「ベルモットと組織の謎が深まるばかりなのも、何故かベルモットが協力的なのも…」
「そして何より…」
『上手く行き過ぎている、ことがね』
まだ誰も負傷していない。まだ誰も、組織の幹部と遭遇していない。
「まあ、うだうだ考えても仕方ないか」
「そうだね。今は早く脱出して、拘束した構成員を運ぼう」
3階から降りてきた階段に通じる、壁。安室が壁を叩き、パネルを開く。
ちなみに、水無にはAの指輪が渡されている。
そう。例の、小さな針を仕込んである指輪だ。もし拘束を解く必要に駆られても、縄を切れるように。
赤井達は通信を切る前までの段階で、予定より早く作戦を進めていたのに対し、A達は遅れ気味だった。
よって、早く脱出するためには少し急がねばならない。情報部は殲滅したので、Aらはカメラをあまり気にせず、ここまで最短ルートを駆けて来た。
「…22時まであと5分か」
『最低でも2階まで戻れって言われてたけど、無理だね』
「まあ、3階は僕達で制圧済みですから」
「ここまでのように、最短ルートで行けばすぐですよ」
公安捜査官の2人の言葉に、[そういえば3階は大変でしたね]とAが労うと、苦笑を返される。
予想より構成員の多かった研究所フロアで、彼らは複数名と連続して交戦していた。
安室を先頭に階段を上って行き、突き当たりの壁を彼が叩く。
『あと4分…』
「…赤井さんからの通信、来ねえな」
赤井達が5階に侵入してからの計画は、こうだ。
5階と4階を繋ぐ階段の扉前に、見張り兼緊急時の対応役としてCIA捜査官の2人が残る。
赤井らFBI組は、まず、ひたすら最奥を目指す。5階最奥には、"あの方"が利用する部屋がある。
あの方が来る時、ジンら幹部は5階の別室から、モニターを介して会うそうだ。
とりあえずあの方の身柄を拘束し、ジンらが反抗しにくいようにする。そのまま幹部全員とっ捕まえよう、という算段である。
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神娜(プロフ) - とても面白いです!夢中になってずっーと、読んでます(笑)!!次の更新楽しみにしてます!続きが気になるので、時間があったらでいいので、待ってます!! (2020年7月10日 16時) (レス) id: aef303f40c (このIDを非表示/違反報告)
Liz(プロフ) - とても面白いです!一気読みしてしまいました!主ちゃんと新一がどうなるのか、組織はどうなるのか!続きが気になります!お時間空いたときで大丈夫なので、更新してくれたらとても嬉しいです!待ってます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: 981ff12ec5 (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!もう更新はしないのですか?ずっと待ってるので、時間が空いたらでいいので更新してくれたら嬉しいです!待ってますよ! (2020年3月29日 22時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
れい - うわー、作品一気読みしてしまいました、もう更新はしないのでしょうか…?待っているので時間に余裕があるときにでも更新してくれたら嬉しいです。待ってます!! (2019年5月3日 14時) (レス) id: 31d6edb3af (このIDを非表示/違反報告)
緑間大好きっ子(プロフ) - 原作沿いも見てみたい (2018年4月29日 10時) (レス) id: c36a14bd0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナガレ@元kaka x他1人 | 作成日時:2017年2月20日 16時