白紙 ページ8
哀ちゃん…つまり宮野志保と、姉の宮野明美の母親である、宮野エレーナ。そして父親である、宮野厚司。
2人とも組織の研究員だった。そして…
『っ、コナンくん…前に言ってたよね、哀ちゃんが』
「…あぁ」
宮野志保が生まれてすぐに、研究所の火事で事故死したとされている2人が開発していた薬……
[[死者を蘇らせる薬よ]]
インカムから届いた声は、いつもの彼女と変わらず、落ち着いた色を滲ませていた。
『…哀ちゃん』
[[そのデータ…恐らく、ね。研究所の火事で資料は殆ど燃え尽きたはずだけど]]
APTX4869のデータ解析をする傍ら、私達の会話が耳に入ったのだろう。私のヘアピンを介して、あちらにもこのパソコン画面は見えているはずだ。
「燃え残った印刷物ならまだしも、何故データとしてベルモットがこれを所有していたのか…」
『分からない。でも、さっきの写真とこのデータには何らかの関係性があって…』
「それが、組織の謎を紐解く鍵になる…」
それは間違いない。
『…あーいちゃんっ!』
「灰原ー」
[[…何?]]
『APTX4869のデータ解析と…』
「解毒剤の開発、」
『「頼んだよ!/からな」』
[[…ふっ、わかってるわよ]]
プツリ、通信は終了した。
コナンくんと顔を見合わせ、頷く。
今は、何も考えなくていいよ、哀ちゃん。帰ったらたくさん、話そう。
「そろそろタイムリミットだね」
「結局、得られたのはベルモットが残した写真とデータだけか…」
『仕方ないよ。組織の連中とっ捕まえた後で、また改めて探りに来よう』
このデータは量が膨大なので、宮野エレーナのサイン部分だけ、写真に収めておく。
「それじゃ、私のこと拘束してもらえる?」
『そうだね。透くん、よろしく』
「はいはい…これ、絵面大丈夫ですか?」
『大丈夫だよ、イケメンが美人の手足を拘束してるようにしか見えないから』
「いや、それがやべーんだろ…」
『あはは』
怜奈さんは、管理室にいたところを他の構成員と共に急襲され、私達に拘束された。そういう設定である。
何度も言うけれど、彼女は私達の作戦が失敗しても、その先も組織を潰すために動く。そのために誤魔化せるだけ誤魔化さないとね。
軽く透くんいじりもしたところで、マウスをいじってファイルを閉じる。すると、みるみるうちに私が開いてきた[恋文]のフォルダは消去されていく。
『…ベルモット』
残されたパソコンの画面、[恋文]のフォルダであったそこには、何も残されていなかった。
355人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神娜(プロフ) - とても面白いです!夢中になってずっーと、読んでます(笑)!!次の更新楽しみにしてます!続きが気になるので、時間があったらでいいので、待ってます!! (2020年7月10日 16時) (レス) id: aef303f40c (このIDを非表示/違反報告)
Liz(プロフ) - とても面白いです!一気読みしてしまいました!主ちゃんと新一がどうなるのか、組織はどうなるのか!続きが気になります!お時間空いたときで大丈夫なので、更新してくれたらとても嬉しいです!待ってます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: 981ff12ec5 (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!もう更新はしないのですか?ずっと待ってるので、時間が空いたらでいいので更新してくれたら嬉しいです!待ってますよ! (2020年3月29日 22時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
れい - うわー、作品一気読みしてしまいました、もう更新はしないのでしょうか…?待っているので時間に余裕があるときにでも更新してくれたら嬉しいです。待ってます!! (2019年5月3日 14時) (レス) id: 31d6edb3af (このIDを非表示/違反報告)
緑間大好きっ子(プロフ) - 原作沿いも見てみたい (2018年4月29日 10時) (レス) id: c36a14bd0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナガレ@元kaka x他1人 | 作成日時:2017年2月20日 16時