切欠 ページ33
そもそも、鷹野幸太郎がこの村に来たのは、彼が36歳の頃だ。
日本で自衛官をしていた彼は、終戦した日本とは対照的に、凄惨な戦争が続く海外に1つ疑問を持った。
何が人々を争わせるのか、という疑問だ。そして自衛官を辞め、単身海外へ飛び立った。
時に革命軍の仲間として参戦し、時にある国同士の戦でどちらの兵士か関係なく救命し、そして時にーー
戦争孤児や、親に捨てられた子どもを拾い、育てた。
それがルーク、アメリ、レベッカとシャロンだ。
最初に、両親を失い、敵兵に殺されかかっていたルークを助けた。それからは戦に直接参加せず、医師としてあらゆる人を救った。
蛇足だが、彼は医師の家系出身で、子どもの頃は医師になるための教育を受けていた。高校の頃自衛隊に惚れ込み、その道に入ったが。
次に、母親を病で亡くし、父親に暴力を受けていたアメリを救った。拠点は移しながらも、医師の活動を続けた。
最後に、両親に捨てられ、スラムで瀕死のシャロンを抱いたレベッカに出会った。まとめて助けた。
幸太郎は怒っていた。社会の理不尽さに。疑問の答えは、これだと思った。
同時に、ならばそれに抗おうと決意した。
そして、この村に来て、ホームを作った。
それまでに出会った不運な人達を呼び寄せ、皆まとめて家族にしたのだ。
この村は以前に訪れていた。村人の人柄を知っていた。決意した時、あの村しかないと思った。
村人達は、小さい村故に助け合う心を持っていた。
さらに、ほぼ自給自足的な生活を送ってきた村人達は、ホームの住民達や鷹野らと共に、外の街で農作物を売ったり、隣村の鉱山で取れる鉱石を買い取り、加工販売したりもするようになった。
ホームの住民と村人は、仲間であり、師弟であり、同志になった。
ホーム、そして村は、物理的に恵まれずとも、もっと深いところで潤っていった。
ホームができて3年もすれば、村は明るい笑顔が飛び交うようになっていた。
そしてそれは、鷹野家にも言えることである。
時間を戻そう。幸太郎が43歳になった現在。彼に救われた子ども達は、健やかに成長していた。
「幸太郎、ルーク、来て！」
「旅人さんだよ！」
「旅人さん？」
「初めまして、旅人だよ」
最近シャロンが言い出して始まり、今や日課となった2人の鍛錬から、アメリとシャロンが帰ってきた。
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神娜(プロフ) - とても面白いです！夢中になってずっーと、読んでます(笑)！！次の更新楽しみにしてます！続きが気になるので、時間があったらでいいので、待ってます！！ (2020年7月10日 16時) (
レス) id: aef303f40c (このIDを非表示/違反報告)
Liz(プロフ) - とても面白いです！一気読みしてしまいました！主ちゃんと新一がどうなるのか、組織はどうなるのか！続きが気になります！お時間空いたときで大丈夫なので、更新してくれたらとても嬉しいです！待ってます！ (2020年6月14日 18時) (レス) id: 981ff12ec5 (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです！もう更新はしないのですか？ずっと待ってるので、時間が空いたらでいいので更新してくれたら嬉しいです！待ってますよ！ (2020年3月29日 22時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
れい - うわー、作品一気読みしてしまいました、もう更新はしないのでしょうか…？待っているので時間に余裕があるときにでも更新してくれたら嬉しいです。待ってます！！ (2019年5月3日 14時) (レス) id: 31d6edb3af (このIDを非表示/違反報告)
緑間大好きっ子(プロフ) - 原作沿いも見てみたい (2018年4月29日 10時) (レス) id: c36a14bd0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガレ@元kaka x他1人 | 作成日時：2017年2月20日 16時
