次策 ページ27
「…は?何で…」
「残念だったな」
弾丸は発射されない。
首元を殴れば、キャンティは呆気なく気絶した。
インカムからも報告が届く。
[[2人潰しました!]]
[[こっちも1人!]]
[[1人、拘束完了です]]
[[こちらもです]]
「…3階フロア、完全制圧だ」
よっしゃ、と声が上がった。拘束した構成員達を入り口まで運んで行くように指示を出す。
Aとコナンくんが遭遇した5人が、回復して周囲の捜査官に銃口を向けていたのだ。
5人とも回復して来るとは。気絶したままいてくれるならそれで良しと思っていたのだが。
恐らくその雑魚5人は、後方支援担当。追加の銃弾をキャンティらに運んだり、不意打ちでこちらの戦力を削いだりする目的だろう。
俺は右手に握っていたあるものを見た。
それは、掌で握り込めるサイズの球体。
「ヴェスパニア鉱石、とんでもない代物だな」
A達が調達してきたのだ。
ーー『見てみて、これ絶対ルパンからですよ!』
ーー「ヴェスパニア鉱石を使ったステルス装置だよ。小型化してる分、効力は10秒程度らしいけど」
ルパン三世や、ヴェスパニアの女王と友達だと言う2人にも驚いたが、この装置の効力にはもっと驚いた。
しかもこの装置、潜入するメンバーそれぞれに1つずつ渡されたのだ。
俺はキャンティが、捜査官達は構成員が、各々発砲する直前にスイッチを入れ、銃の機能を狂わせたという訳だ。
キャンティとコルンの手足をしっかり拘束しておく。捜査官に腕の手当をしてもらいつつ、外の本部と阿笠邸に通信を繋いだ。
「他チームはどうですか」
[[シュウ達はまだジン、ウォッカと交戦中よ]]
[[A達は先程、4階フロアで隠された入り口を見つけて侵入。研究室に辿り着いたよ]]
4階に研究室?研究所は、俺達がいる3階だけではなかったのか…
「わかりました。捜査官達には、3階以上の構成員の運び出しを始めさせましょう」
[[降谷さんはどうするんです]]
「俺はまた降りる。A達に合流できればいいが…」
[[難しそうですね…隠し入り口へは、壁で阻まれてルートがないんです]]
…仕方ない。ため息を1つ吐いて、顔を上げる。
「では癪だが、5階で赤井の補佐に回ろう。赤井と共闘なんて、癪だが」
[[…Aが聞いたら、また怒るわよ]]
「哀さん、今のは内密にする方向でお願いします」
咄嗟にさん付けと敬語で返す。珍しく笑ったらしいその小さな声を聞きながら、通信を切った。
「…A、コナンくん。無事で合流させてくれよ」
355人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神娜(プロフ) - とても面白いです!夢中になってずっーと、読んでます(笑)!!次の更新楽しみにしてます!続きが気になるので、時間があったらでいいので、待ってます!! (2020年7月10日 16時) (レス) id: aef303f40c (このIDを非表示/違反報告)
Liz(プロフ) - とても面白いです!一気読みしてしまいました!主ちゃんと新一がどうなるのか、組織はどうなるのか!続きが気になります!お時間空いたときで大丈夫なので、更新してくれたらとても嬉しいです!待ってます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: 981ff12ec5 (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!もう更新はしないのですか?ずっと待ってるので、時間が空いたらでいいので更新してくれたら嬉しいです!待ってますよ! (2020年3月29日 22時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
れい - うわー、作品一気読みしてしまいました、もう更新はしないのでしょうか…?待っているので時間に余裕があるときにでも更新してくれたら嬉しいです。待ってます!! (2019年5月3日 14時) (レス) id: 31d6edb3af (このIDを非表示/違反報告)
緑間大好きっ子(プロフ) - 原作沿いも見てみたい (2018年4月29日 10時) (レス) id: c36a14bd0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナガレ@元kaka x他1人 | 作成日時:2017年2月20日 16時