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嫌悪 ページ26

音も気配もなく、数歩で進み出る。キャンティとコルンの背後。

「「!バー、ボ…ッ」」

まずはコルンの手に踵を落とし、狙撃銃を落とさせる。

周囲を囲んでいた捜査官が、落ちたそれに発砲して手の届かないところへ追いやった。

間を置かず、キャンティを回し蹴りで転ばせ…ようとしたが、彼女は咄嗟に屈んで避けた。

「チッ…」

その姿勢のまま足払いをかけようとしてきたため、飛んで回避。

コルンが斜め後ろからワルサーPPKで俺を狙う。

照準を定められる前に攻撃をと思ったが、コルンはロクに狙いもせずに発砲。弾は左の二の腕を掠めた。

鈍い痛みが走るが、構う暇はない。

コルンの鳩尾に肘打ちを入れ、その右腕をそのまま伸ばして立ったキャンティの頬にぶつける。

緩んだ手から狙撃銃を奪い、コルンの後頭部へぶち当てた。

これでコルンはK.O.
あとはキャンティを……

「なめたマネしてくれんじゃないの、バーボン…」

おっと。
コルンを狙撃銃で殴る一瞬の間に、キャンティはワルサーPPKを構えていた。

俺がキャンティに向き直ったことで、その狙いは見事に俺の眉間に向いている。距離は、およそ3メートル。

プッと口内に溜まった血を吐き出し、キャンティは俺を睨む。

「全員、下手な動きすんじゃないよ!あんたらのリーダーを失いたくなければね」
「…相変わらず、血の気が多い女性ですね」
「そう言うあんたは、相変わらず余裕だね。そういうところが、前から嫌いだったよ」

インカムから、複数の声が届く。

「…良かったです」
「…何がだい」
「いや、何…嫌われていて良かったと言ったんです」
「ハッ、嫌われたかったってのかい?」
「えぇ」

キャンティは銃を構え直した。その特徴的な目が、俺の肯定を聞いて少し見開かれる。

「ふぅん、変わってるね。ま、あたしにはどうでもいいこと…さっさと両手を挙げな」

思わず、ふっと笑みを零す。キャンティが眉を潜めた。

「変わってる、か。そうでもないさ」
「…黙って両手を挙げろ」

ゆっくりと両手を挙げていく。

「ただ、俺もお前が…お前らのことが、ずっと前から嫌いってだけだからな」
「…これで終わりだよ、バーボン」

キャンティの無機質な声と共に、無機質な音が響いた。

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神娜(プロフ) - とても面白いです!夢中になってずっーと、読んでます(笑)!!次の更新楽しみにしてます!続きが気になるので、時間があったらでいいので、待ってます!! (2020年7月10日 16時) (レス) id: aef303f40c (このIDを非表示/違反報告)
Liz(プロフ) - とても面白いです!一気読みしてしまいました!主ちゃんと新一がどうなるのか、組織はどうなるのか!続きが気になります!お時間空いたときで大丈夫なので、更新してくれたらとても嬉しいです!待ってます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: 981ff12ec5 (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!もう更新はしないのですか?ずっと待ってるので、時間が空いたらでいいので更新してくれたら嬉しいです!待ってますよ! (2020年3月29日 22時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
れい - うわー、作品一気読みしてしまいました、もう更新はしないのでしょうか…?待っているので時間に余裕があるときにでも更新してくれたら嬉しいです。待ってます!! (2019年5月3日 14時) (レス) id: 31d6edb3af (このIDを非表示/違反報告)
緑間大好きっ子(プロフ) - 原作沿いも見てみたい (2018年4月29日 10時) (レス) id: c36a14bd0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナガレ@元kaka x他1人 | 作成日時:2017年2月20日 16時

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