二人 ページ24
「さて、私もルークに倣って自己紹介しようかな」
綺麗な赤髪に軽く手櫛を通し、"あの方"は微笑む。写真と変わらず、整った顔立ちだ。
ベルモットが変装していたルーク同様、年は20代前半だろう。
「私の名前はアメリ。こんな姿でごめんなさい、体力がなくてね。少し動き回るだけで、身体が使い物にならなくなるの」
[これくらいなら、まだ大丈夫ね]と、アメリは手を開いたり閉じたり、足を軽く振ったりしている。
「で、私は主に"あの方"と呼ばれてるけど…姿を知ってるのは、ベルモットだけ。よろしくね」
"あの方"は、アメリ。"あの方のお気に入り"はベルモット。
鷹野幸太郎は、既に亡くなっている。
なら…ルークと、写真で最後に残った彼女は?
『…じゃ、礼儀には礼儀で返そうか』
「そうだな。俺は江戸川…いや、工藤新一」
『私は中屋A』
「『探偵だ/よ』」
アメリはニィと口角を上げた。
「では、優秀な2人の名探偵。君達を最後の部屋に案内しよう」
ベルモットがアメリの車椅子を押して、部屋の奥へ進む。今度は扉もなく、しかし廊下は明るかった。
私達は無言で後を追う。
アメリの[最後の部屋]という発言からして、連れて行かれた先は組織の最奥。
「さあ、着いた」
「電気、点けるわよ」
到着した部屋は今までと違い、明かりもなく真っ暗だった。
ベルモットは小さなペンライトで足元を照らし、慣れた足取りでスイッチを入れる。
パチッと灯されたその光景に、思わず目を疑った。
『なっ…!』
「これは…!」
目に飛び込んできたのは、巨大な水槽のようなもの。
高さ4メートルはあるだろうそれは、縦に長い楕円形で、全面ガラス張り。
何やら様々な管が通っていて、それらは部屋中に置かれた機械に繋がっている。
「…正直、私の正体はバレても構わなかった」
「その方が都合が良いから、隠していただけであってね」
「私達2人以外の誰にも、絶対に知られたくなかったのは、[ 彼ら ]の存在」
中には満タンの液体。青色で、どこか神秘的にも思える。
液体の中で、
…人が浮かんでさえいなければ、の話だが。
それも……
『推理の中で仮説は立ててたけれど…』
「[ 1人 ]だと思ってたぜ…」
水槽は、2つある。
浮かんでいる人間も、当然 [ 2人 ] 。
『彼は…ルークね』
「もう片方は、写真の最後の1人…」
一番右端に写っていた、ブロンドの髪の彼女。
「彼女の名前は、レベッカ」
「……私の姉よ」
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神娜(プロフ) - とても面白いです!夢中になってずっーと、読んでます(笑)!!次の更新楽しみにしてます!続きが気になるので、時間があったらでいいので、待ってます!! (2020年7月10日 16時) (レス) id: aef303f40c (このIDを非表示/違反報告)
Liz(プロフ) - とても面白いです!一気読みしてしまいました!主ちゃんと新一がどうなるのか、組織はどうなるのか!続きが気になります!お時間空いたときで大丈夫なので、更新してくれたらとても嬉しいです!待ってます! (2020年6月14日 18時) (レス) id: 981ff12ec5 (このIDを非表示/違反報告)
萌奈 - とっても面白かったです!もう更新はしないのですか?ずっと待ってるので、時間が空いたらでいいので更新してくれたら嬉しいです!待ってますよ! (2020年3月29日 22時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
れい - うわー、作品一気読みしてしまいました、もう更新はしないのでしょうか…?待っているので時間に余裕があるときにでも更新してくれたら嬉しいです。待ってます!! (2019年5月3日 14時) (レス) id: 31d6edb3af (このIDを非表示/違反報告)
緑間大好きっ子(プロフ) - 原作沿いも見てみたい (2018年4月29日 10時) (レス) id: c36a14bd0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナガレ@元kaka x他1人 | 作成日時:2017年2月20日 16時