【名探偵コナン】もう一人の名探偵【劇場版限定】探偵たちの鎮魂歌2

番外編】花が咲く ページ21

コナンSide

「ったく、蘭の奴ら…こっちの気も知らねーで…」

トイレへ向かう。個室に入り込んで、蝶ネクタイ型変声機を調節し終えたところで、携帯が鳴った。

新一のほうのスマホだ。応答ボタンを押して耳に当てる。変声機を口元に寄せた。

「はい、もしもし？」
《あっ、出た！もしもし新一？》
「蘭か。どうした？」
《どうしたじゃないわよ！連絡もろくにしないで、いつ帰ってくるの！Aはずっと待ってるのよ！》

そんなこと、痛いほどわかってるよ…すぐ横で見てきたんだからな…

「…わーってるよ…でも、まだ無理だ」
《…はあー…そうそう、新一に聞きたいことがあって！》
「聞きたいこと？」

知ってるけどな

《Aに一番似合うドレスって、どんなのだと思う！？》
「…ドレス？」
《そう、ドレス！》
《Aに作ってあげよってことになってんのよ！でも、私達じゃどれもこれも似合うとしか思えなくてね…絞り込めないの！》
《工藤くんやったら、一番似合うもんわかるやろってなってん！》

次から次へと飛んでくる声。こいつら、本当に自由だな(

「なるほどな…でも、何で俺ならわかるんだよ」
《え、わかんないの？》
「なっ…はあー…今上がってる案を言ってみろ…」

理屈で詰めようとするだけ無駄か。

早々に諦めることにして、おとなしくこいつらの話を聞く。流されているようにみえて、知らぬ間に割と真面目に考える自分がいて、勝手に赤くなった。

全く、あいつのこととなると調子狂う…

「…って感じでいいんじゃねえか？」
《おおー…さすがというかなんというか…》
《本当、Aのことよく見てるね！》
《どんだけ好…げふん、どんだけ仲良いねん！》

後で服部しばいとくか…(

《おっけー、じゃあそれをベースに考えるわ！着せたら写真撮ってメールするから！》
《本当はそれまでに帰ってほしいけどね！》
《ちょっ、園子サン！？写真って！？え、写真撮るの！？しかも送るの！？新一に！？》

Aの声も聞こえるようになった。焦りようが半端じゃない。

《あっ、Aにかわるね！》
《おっふそこでかわるんだ？今の流れでかわるんだ？マジか？》

何だかんだ言いつつ、あいつは電話を受け取ったらしい。…いつも話してるだろ、何を緊張してんだよ、俺。

…赤くなるなっつの。

ーーー
新一いいい(

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