番外編】花が咲く ページ16
鞄とカーディガンを手に取り、鞄の中身をチェックしていると平次がそう言った。その顔を見る。
ふっと笑って、視線を鞄に戻す。手を動かしながら答えた。
『やっぱりばれてたか』
「…そりゃまあな」
『蘭ちゃん達にもばれてたしな…わかりやすい?』
「かなり」
『マジでかw…新一には気づかれてないといいんだけど』
「あいつは全く気づいてへんぞ」
『それもやっぱり、だなーww』
鞄の中身を確認し終えて、カーディガンを羽織る。
「…」
『…私はさ、助けられたんだ』
「…助けられた?」
『うん。これは本人にも言ったことあるけど、彼は私に色をくれた。毎日に輝きを与えてくれた』
「色と輝き、か」
『そうそう。新一が笑ってれば私も笑える。私はただ、あいつの隣で笑っていたい。…迷惑かもしれないけどね』
私の言葉に、平次は驚いたように目を見開いて、すぐに笑い出した。
「ほんま、お前らは…w」
『え?今の笑うとこ?w』
「それ、工藤に直接聞いてみ?隣でおってええかって」
『えー…直接か…』
「おう。そのほうがすっきりするやろ?」
『んー…そうだね…』
気が向いたら聞いて見るよ、と言っておく。
「A!ネクタイどこにやったか知らねーか!」
『あーはいはい、ちょっと待ってください!』
勢い良くドアが開けられ、毛利先生が現れる。後ろには苦笑するコナンくんの姿が。
『そのスーツでしたらこっちですかね?』
「そうだな…」
手早く毛利先生の首にネクタイを巻く。ふと、新一にネクタイを巻いてあげていた頃のことを思い出した。
『…ふふ』
「A?どうかしたのか?」
『いえ…少し、推理バカのことを思い出してました』
「推理バカ…あぁ、あいつか」
推理バカ、で毛利先生には通じたようだ(
ジト目を向けられているのは確実なので、コナンくんのほうは見ない。平次の噛み殺した笑いが聞こえる。
「そういやあいつ、全然顔見ねーな」
『…そうですね。全く、どこで何やってんだか』
「Aを待たせてんだから、はやく戻って来いよな。俺の娘みてーなもんだぞ」
『毛利先生…ありがとうございます。でも、待つって決めましたから』
毛利先生にジャケットを着せて、軽く肩を払う。
「そうか。無理はすんなよ?」
『はいっ!』
私には父親と母親が3人ずついる。
本当の両親、優作さん、有希ちゃん、毛利先生。英理さんとも何度か会って、仲良しになっている。
すごく幸せなことだ。自分を気にかけてくれる人がいるということだから。
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ミア - 今度はベイカー街の亡霊をお願いします。 (2018年2月10日 6時) (レス) id: 307808664a (このIDを非表示/違反報告)
ぴいなっつ - とても楽しく読ませて貰ってます(^^)原作も元々リアルタイムで最初から映画館で見てるくらいコナン大好きなんですけど、とっても楽しく読ませて頂いてます*\(^o^)/*次はルパコナ!こちらも大好きな作品なので楽しみです! (2015年5月12日 21時) (レス) id: be20ea4ad2 (このIDを非表示/違反報告)
kaka。(プロフ) - 英語ラーメンさん» ありがとうございます!番外編は本当にもう、自分の書きたい話を書き殴るだけの自己満です(楽しんでいただければ幸いです!そのためにも、素晴らしいルパコナと最終話とエピローグを仕上げます()← (2014年10月20日 7時) (レス) id: 3b1ae4cc96 (このIDを非表示/違反報告)
kaka。(プロフ) - killme☆さん» ありがとうございます!はい、一応やるつもりです!主ちゃんを出しにくいと判断した場合、やらない作品も出るかもしれませんが…時間の許す限り、書きまくります!頑張ります!! (2014年10月20日 7時) (レス) id: 3b1ae4cc96 (このIDを非表示/違反報告)
kaka。(プロフ) - ☆AKI☆さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2014年10月20日 7時) (レス) id: 3b1ae4cc96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaka x他1人 | 作成日時:2014年10月16日 1時