【名探偵コナン】もう一人の名探偵【劇場版限定】プロローグ

出会い　工藤新一篇 ページ25

『卵…鶏肉…あ〜レンジでチンするごはんもあるじゃん』

十分十分、と冷蔵庫やら棚やらから次々と材料を出していくA。有希子の使っていたであろういくつかのエプロンの中から、薄いピンクの物を拝借して身につけている(これ以外のエプロンには全てフリルがついていた。唯一無地だったのはこの一枚のみで、ほぼ使っていなかったようでまだ新しい)。

新一は、何かを思い出したようにキッチンを出て行った。数分と経たずにまた戻ってくる。
その手には新聞を持っていた。Aの後にあるダイニングテーブルの椅子に座り、新聞を広げる。

『なんか気になる事件、載ってる？』

探偵として、2人とも世間のニュースには敏感である。新聞から新たな知識を得ることもあるのだ。
野菜を切る手を止めて、Aはあるモノを取り出した。

「いや…載ってねえな。バイオテクノロジーが飛躍的に進化した、とかそんなもんだ」
『平和だねー』

言いながらAは、新一の横にマグカップを置いた。

Aそのまま料理作業に戻り、新一は自然とそのマグカップに手を伸ばす。一口飲んで、やっと気づいたかのように彼は驚いた声を出した。

「…え、A、これ…」
『うん？あぁ、優作さんがさ、新聞読むときはいっつもそのコーヒー飲んでたんだよね。新一もやっぱりそうなんだ？血は争えないねぇ』

トントントン、と軽やかに野菜やらなんやらを切っていくAは、新一に背中を向けたまま答える。

「オメー…なんか、すげえな」
『えぇーどったの急に』
「何も言ってねーのにコーヒーいれたり、親父の習慣に気づいてたり…自然な気遣いがうまいっつーか」
『褒めてもなんもでねえよー…あ、お昼ごはんはでてくるか』

カチッとコンロに火を付け、フライパンを置く。様々な材料を放り入れた。

―――
中途半端に短くてすいません！

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