出会い 工藤新一篇 ページ14
「お前が探偵、ってところでまず信用ならねーんだよ!」
『オッケーわかった、証明してあげよう!そこで立ってる制服姿の青年!』
ビッとAが指差したのは、キッドが〔探偵〕と言っていた青年だった。
「俺?」
『そう、君!君、その左膝サポーター巻くか、湿布貼るかしたほうがいいよ!』
「え…左膝?」
『イエス!痛めてるんでしょ!?』
「な、なんでそれを…」
「い、痛めてるのかね、工藤くん!」
「えぇ、まあ…少しですけど…でもなんで?」
ふっふっふ、とAは笑った。なんか妖しい笑みしか浮かべてない気がする、と心の中で思いつつも、〔工藤くん〕と呼ばれた青年の疑問に答える。
『今、この部屋に入った時…ほんっとに微かにだけど、顔歪めてたよね?で、左足を一瞬庇うようにして歩いた』
「確かに…でもあんなの、ほんとに一瞬だったのに気づくなんて、」
『それだけじゃないって。君、サッカーしてるでしょ。あと、右利きだよね』
「…は?」
『両足のふくらはぎ。ズボンの上からだから、ちゃんとはわからないけど…サッカーをやってる人の筋肉だから。でもって、サッカーは大抵、利き足でボールを蹴る。右利きが大多数の日本では、左足を軸に蹴る人が当然多い…その結果、サッカーが好きでやり込んでいる人は左膝を痛めることが多い。君がサッカーをやってて、左膝を痛めてるなら。君は右利きの可能性が高い』
咄嗟にボールを蹴る時でさえ、右利きなら右足が出る。その〔咄嗟〕に軸となる左足は耐えなければいけない。本人の意識はなくとも、左膝はダメージを受けるのだ。
「…」
『どう?どこか間違えてた?』
「いや…正解だよ」
『中森警部。どやぁぁぁ』
「…クソッ、探偵ってのは間違いじゃねえようだな」
『だから始っからそう言ってるでしょー』
「…なあ」
高校生探偵がAに声をかけた。Aは彼に向き直る。
「お前…名前は?」
あらあら、今日は何回名乗れば気が済むのかな。
そんなことを思いながらも、Aは答えた。いつものように。
『…中屋A。――しがない探偵ってとこかな。…君は?』
ふはっ、と吹き出した彼は、ニヤリと微笑みながら静かに答えた。
「工藤新一…オメーと同じ、探偵さ」
―――
はぁ…やっと出てくれましたね、新一くん←
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美紀 - コナン大好きです漫画とアニメと映画見るくらい大好きです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年11月10日 10時) (レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)
☆藤井伶菜☆(プロフ) - 高校卒業資格のところですが高橋沙羅じゃなくて高梨沙羅ですよー (2017年2月27日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
とみ - 一瞬で気づくのすごい (2016年4月22日 11時) (レス) id: 86e9b475ac (このIDを非表示/違反報告)
PIRANIA同盟 - わぁーーーー!! マジで神小説ですっ!!!! 何度も1から読み返してます…(照/// 応援してます。 どんどん新作出してください!! (2015年10月31日 13時) (レス) id: 6a6985e085 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - ひとつだけ言わせてください!新一はお母さんのことを「お袋」じゃなくて「母さん」って言ってますよぉ。 (2015年5月7日 20時) (レス) id: e6681ad596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaka | 作成日時:2013年5月10日 15時