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出会い 怪盗キッド篇 ページ9

[キッド(黒羽快斗)Side]



【世の人々が

1年で1番、楽しい気持ちになる瞬間。

そのときこそ、雨降る場所から

私が華麗に

閉じ込められた檻から大きな空へと、宝石を助けてさしあげましょう。

怪盗キッド】



「…そんなに難しかったかな、この予告状」

もう少し簡単にしたほうがよかっただろうか。
ラジオでニュースを聞きつつ、あまりよろしくない言葉を口にした。

もちろん、簡単に仕事ができるに越したことはない。だが…
ここまで、警察がいないってのは…

なんというか、張り合いがない。

「それにしたって…なあ」

誰に言うでもなく、ぼそぼそと呟く。全国紙の新聞で、でかでかと予告状載せたら、誰かしら探偵とかが暗号解いて、このホテル張っててもおかしかねえだろ…

「…ま、中森警部はいつもの調子みてえだけど」

今回彼がいないことは、仕事としては相当やりやすくなっていいだろう。

「さて、と。11時43分か。そろそろ…」

トイレにでも行って、変装解かねーとな。
と、踵を返したその時。

ドン、と結構激しく人とぶつかってしまった。相手がその拍子に倒れる。

「おっと…悪いな、大丈夫かい?」

すぐさま、現在変装している人間の声に変えてぶつかって倒れた相手に手を差し伸べる。
おかしーな、いつもなら気配で人がいるかなんてすぐ気づくのに。

よくよく見てみると、ぶつかったのは少女だった。高校…いや、まだ中学生か?

可愛いな、とふいに思った。

『あぁ、こちらこそすいません…朝からぼーっとしているもので』

見た目よりもずっと大人びた口調で、少女は眠そうに言った。

「寝不足か?それはいけねえな」

ポンっと音と煙を立てて、俺は手にバラを出した。そのまま少女に差し出す。

「このバラで、ちょっと落ち着くといい。花は見てるだけでも落ち着けるだろ?」
『へえ…洒落たマジックをしますね』
「ちょっとした趣味でさ。お、悪ぃ、そろそろ行かねーと」
『えぇ、素敵なバラをありがとう』

にっこりと微笑んだ彼女に、不覚にも少し顔が赤くなるのを感じた。また会えたらいいな、なんて、俺はどうかしちまったのか?

…マジックやっちまったけど、俺がキッドだなんて気づいてねえよな?

―――
次は普通のナレーションに戻ります。

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美紀 - コナン大好きです漫画とアニメと映画見るくらい大好きです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年11月10日 10時) (レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)
☆藤井伶菜☆(プロフ) - 高校卒業資格のところですが高橋沙羅じゃなくて高梨沙羅ですよー (2017年2月27日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
とみ - 一瞬で気づくのすごい (2016年4月22日 11時) (レス) id: 86e9b475ac (このIDを非表示/違反報告)
PIRANIA同盟 - わぁーーーー!! マジで神小説ですっ!!!! 何度も1から読み返してます…(照/// 応援してます。 どんどん新作出してください!! (2015年10月31日 13時) (レス) id: 6a6985e085 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - ひとつだけ言わせてください!新一はお母さんのことを「お袋」じゃなくて「母さん」って言ってますよぉ。 (2015年5月7日 20時) (レス) id: e6681ad596 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kaka | 作成日時:2013年5月10日 15時

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