１１＊優しい嘘 ページ14
この世に存在する全ての異能を扱うことが出来る異能。そんな力を持ってして、どうして父は簡単に殺されてしまったのか。そんな力があるならば、むしろ返り討ちにだって出来たはずなのに。
私の問いに、太宰さんがおそらく、と声を零した。
｢聞いたことないかい？
血縁者にのみ、異能を譲渡することができる、という話｣
｢……！！…そ、そんな、本当に？｣
｢推測だけれどね。
おそらく、彼が殺された時…既に異能は君に譲渡されていたんだ。
譲渡された異能は、彼の異能ではなくなり、君の異能になる｣
｢……父さんには、使えなかった…｣
｢……そういうことに、なるね｣
太宰さんは少しだけ目を伏せた。乱歩さんも居心地が悪そうに眉間に皺を寄せた。しん、と沈黙が流れる。
父は自分を恨んでいる人間に娘がいることがバレるのは時間の問題だと考えたのだろう。もしくはもうバレているのかもしれないと。
父さんは、自分の死期を悟っていたんだ。
でも、死んでからでは守れない。だから、人知れず私に異能を譲渡した。私がいつか、命の危険に晒されるその時まで。
父の異能の存在を私に知らされることがなかったのも、きっとそう。
私を、守るため。
私を守るために、沢山の特務課の人たちが携わっていたのだ。守るために、嘘を吐いた。それはとても、とても、優しい嘘だ。
｢……ッ、｣
涙が溢れてきた。
私は、心のどこかで壁を作っていた。父にさえも。
私は
そんな壁を父である彼が気づかないはずがない。
なのに、それでも、父さんは。
｢……と、うさ…！｣
──ずっとずっと、私を愛してくれていたんだね。
｢……っ、わたし、どうしても探偵社に入社したい理由が、あるんです、｣
｢…ほう｣
｢……父を殺した犯人を見つけて、絶対に捕まえる。
捕まえて、洗いざらい吐かせて、…軍警に突きだしてやる、って｣
涙を溜めながらだったと思う。それでも、私は二人を、二人のその綺麗な瞳を、真っ直ぐ見つめてそう告げた。二人は、少しだけ微笑んだ。
｢っま、社長には推薦しといてあげる！
その異能なら絶対にマフィアに目を付けられる。
マフィアに目を付けられたらお前、ぽっくり死んじゃいそうだからな。
探偵社としても利益になるだろうし！｣
｢え！ほ、ほんとですか！｣
｢Aちゃん、ちょっと罵倒されてることに気づいているかい？｣
１２＊きっとそれは変わらないもの→←１０＊守られていたのだと
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三斗(トリップ願望者)シグマ君は私の精神安定剤 - ええええええ！何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止になるかなああああああああああ‼‼‼作者さん！Come buck‼‼‼‼‼ (2022年7月24日 12時) (
レス) @page22 id: 1595fb6da3 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです！更新待っています (2021年8月5日 13時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ。(プロフ) - はじめまして！読ませて頂きました！！めちゃくちゃ面白いです！主人公ちゃんチート過ぎますね笑 好きです！これからも更新頑張って下さいっ！！楽しみにしています！！ (2019年9月1日 15時) (レス) id: fb79d568bf (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ！素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2019年8月21日 16時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 音奏さん» す、素晴らしいですか！ありがとうございます…！更新頑張ります！コメントありがとうございました！ (2019年5月4日 22時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
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