英国紳士の妹は名探偵！【名探偵コナン×APH】

３３P:犠牲-Sacrifice- ページ36

｢｢………｣｣

映研メンバーの知らない、二年前の仲間の最期の言葉。それは酷く辛く、その仲間を愛していた男を狂わせるには充分な言葉だった。

高｢だ、だからボクは…｣

高橋さんが涙を拭い、話し始める。

高｢｢青の王国｣の秘密をバラされたくなけれは森へ来い、と手紙で知佳子を誘い出し…
首をちょん斬ってやったのさ！！敦子の夢を踏みにじったあのメスブタの首をなぁ！！｣

彼女を殺したにも関わらず、まだ物足りないのかアイツは。

彼の表情は怒りの表情だった。

僕の中で、だんだんとイライラが溜まっていく。隣にいる兄さんも同じのようで、軽く拳を握っていた。

高｢フフフ…何もかも終わったよ…｣ﾄﾞｻ

お腹から包帯男のセットを落とし、懐からナイフを取り出した。

高｢ボクも敦子の元へ…｣

角｢ま、待て高橋…｣

死のうとする高橋さんを止めようと、角谷さんは近寄るが、高橋さんは近寄るな、とナイフを振り回して威嚇する。

それに怖気付いた太田さんが情けない声をあげて尻餅を付く。

綾｢た、高橋君…｣

高橋さんはナイフを首に突きつけ、狂った様に言う。

高｢ボ、ボクは敦子と暮らすんだ…
あの世で…敦子の敵を取った正義の使者として……｣

その時、僕の中で何かが切れた音がした。

『ふざけるなよ…』

毛｢A？｣

英｢ふざけんじゃねぇぞ……｣

毛｢アーサーさん？｣



｢『ふざけるな！！/ふざけんな！！』｣



僕だけでなく、兄さんの堪忍袋も切れた様だ。僕達が叫んだ事により、高橋さんに向けられていた皆の視線が一気に僕達に集まる。

カツカツ…

兄さんがナイフを首に突きつけたままの高橋さのと所まで歩いて行く。

高｢くっ、来るなぁっ！！｣

歩いてくる兄さんにナイフを向け、振り回す。

英｢＿＿せよ｣

高｢な、なんだよ…｣

英｢刺せっつってんだよ、俺を｣

｢｢な！？｣｣

な、何言ってるんだあの人は……
刺せ、だなんて…いくら国だからと言って、致命傷を負えば僕達でも死ぬ。

ナイフの場合は＿＿＿＿…

『兄さん…っ、やめt

英｢お前は黙ってろ！！｣

『っ…』

兄さんの考えている事は分かった。刺されるかもしれないというのに、心臓に致命傷を負い、死んでしまうかもしれないというのに、



(自分を犠牲にし、正気に戻す気だ……)

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