オンボノヤス ０５ ページ27
｢さあさ、適当な所へどうぞ｣
彼女はまとわりつく霧を竹の筒に入れ、戸棚に収納した。その戸棚には訳の分からない、到底解読できそうにない文字が沢山綴られていた。…今朝彼女が持っていた物と同じ物か。
俺は言われた通り適当な場所に腰掛けた。すると茶柱の立った茶が運ばれてきた。何もいないのに。
｢…｣
｢ご苦労さま、戻っていいよ｣
彼女はその湯呑みに声をかけ、微笑んだ。まるで、家族に向けるような笑みだった。その笑みは俺に向けられる前に消え、俺と顔を合わせた時にはいつもの胡散臭い笑顔が張り付いていた。全くもって器用な奴である。
｢さて先輩、先ずは自己紹介しましょう。
といっても貴方のことは知り得ていますが…まあ、一応｣
｢…ああ｣
俺達は互いに自己紹介しあった。彼女の名は
｢それで、ここは何か、ですよね｣
｢ああ。何なんだここは。こんな場所知らないぞ｣
｢ええ、そりゃあそうでしょう。ひた隠しにしていたので｣
｢…何故？｣
｢…ここはね、先輩｣
Aは静かに話し出した。
｢この県で唯一、妖達が集まれる聖域なんですよ｣
｢…は？｣
妖？妖って、妖怪のことか？
Aは俺の心情を見透かしたようにくすりと笑う。それが居心地悪くて、俺は話を急かした。Aは何も無い空間を見つめたり、撫でたりしながら言う。
｢妖というのは年々、認知度が下がっていってしまっている。
それは皮肉にも人類が良い発明をしたからでもあるだろう。
そうして妖達は居場所を奪われ、隅に追いやられ、力を弱めている。
私は昔から�猗爐薛瓩鮖襪觧�が出来るから…私はこの場所を作ったんですよ｣
有り余る力すべてを使って。
家族の代わりに居てくれた、彼らのために。
そう言うAは、どれだけ雰囲気を大人に繕っていても、笑顔を貼り付けていても、守らなくてはならない子供のようだった。俺と歳もそう変わらないとしても、まだヒーロー活動もした事の無い、つい最近まで中学生だった、子供。
両親からはその力故に恐れられ、見た目がそれに拍車をかけて酷く疎まれてるという。なので別居させられており、必要な分の資金だけを仕送りしてもらっているらしい。
妖を除けば、彼女は本当に、一人ぼっちだった。
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ちょこもち - リクエストです！雪女でマイク先生、よろしくお願いします！更新頑張ってください！ (2019年9月2日 19時) (
レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ruki(プロフ) - リクエストなんですけれど、ぬらりひょんをお願いします!! 飯田君がいいと思うんですよ!! (2019年2月8日 11時) (レス) id: 9e70f2105a (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 智さん» ああぁすいませんんん！！お気に召していただけたようで何よりですうう！！リクエストありがとうございましたああ！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
智 - 更新ありがとうございますぅぅぅぅ!!そして思っていたよりめちゃくちゃ面白いです!! (2018年6月24日 0時) (レス) id: f95649cda1 (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 智さん» 申し訳ありません、色々ドタバタしていて…書き出しますのでもう暫くお待ちいただければと…！！！本当に申し訳ありません！ (2018年6月4日 16時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
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