古椿の霊 ０５ ページ20
いつだって居なかったことは無かったあの椿が、それから一週間、姿を現さなかった。ちょうど今日で一週間、という日にその場所へ出向くと、
｢……やぁ、やはり来たな｣
｢んで、ここに…！｣
共遣は俺を見つめ、言った。
｢椿という女性と会ったろう｣
｢…は、知り合いなんかよ？｣
｢ああそうだよ、彼女が…彼女が、
｢……は、｣
ここに、植えられた時から？
何言ってんだこいつ。
共遣は訳が分からないままの俺を放って、木を見上げた。
｢彼女が植えられたのは君が生まれる前…私が10歳の頃だ。
私が、花之さんに、この木の苗を渡したんだ。
異型の苗でね…何が咲くかは分からないが、花を咲かせてからは永遠に花が枯れない木なんだ。
知り合いに貰った｣
そんな話をされて、ますます意味が分からなくなった。植えられるって、俺よりも前って、アイツは俺と同い年くらいだったのに。
訳が分からなくなって、ぐるぐると頭が回って、勉強や状況整理とは違う、理解できないようなもののせいで、何が何だか分からなかった。
共遣はそんな俺を見て、目を細めた。
｢…本当は心のどこかで気付いていたんだろう｣
｢は？｣
｢彼女が─椿が、人ではない…少なくとも、自分とは違う事を｣
｢！｣
思い当たる節があった。
学校には訳あって通えないこと。
いつも同じ場所で、同じ時間に現れること。
それに今思えば、いつか彼女が言った、｢花之さんは人生のすべて、生命の核と言っても過言ではない｣という言葉、持病があるのに薬を持ち歩いていないこと。
考えれば考えるほど、椿と俺との違いが浮き彫りになってくる。
｢ま、普通はそう思うさ。
人間誰だって理解できないものは理解しようと思わないからね｣
｢でも…じゃあ、あいつは、なんだっつうんだよ…｣
｢…妖と呼ばれるモノだよ。
まあ、どちらかと言うと精霊に近いが｣
｢せい、れい？｣
｢椿は『古椿の霊』と言って、いわゆる『
｢古椿…｣
｢元々彼女に名は無いからね、椿と名付けたのは花之さんだよ｣
だからアイツは、名乗る時に少し間があったのか？
｢で、そういうモノはその場所から離れられない｣
｢！！｣
学校に通えない理由が、これか。
｢でも彼女は少し特殊でね｣
｢特殊？｣
｢命を
頭が真っ白になった。
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ちょこもち - リクエストです！雪女でマイク先生、よろしくお願いします！更新頑張ってください！ (2019年9月2日 19時) (
レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ruki(プロフ) - リクエストなんですけれど、ぬらりひょんをお願いします!! 飯田君がいいと思うんですよ!! (2019年2月8日 11時) (レス) id: 9e70f2105a (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 智さん» ああぁすいませんんん！！お気に召していただけたようで何よりですうう！！リクエストありがとうございましたああ！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
智 - 更新ありがとうございますぅぅぅぅ!!そして思っていたよりめちゃくちゃ面白いです!! (2018年6月24日 0時) (レス) id: f95649cda1 (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 智さん» 申し訳ありません、色々ドタバタしていて…書き出しますのでもう暫くお待ちいただければと…！！！本当に申し訳ありません！ (2018年6月4日 16時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
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