座敷童子 ０５ ページ15
その後、
｢突然すみませんでした｣
｢いえ…っ、貴方のおかげですから…！
ありがとうございました…！！｣
｢…礼を言われるようなことは何も｣
照れているのか、目を逸らしてそう言った先生に、姉さんはくすりと笑った。それを見た先生は居心地が悪そうに顔をしかめる。そしてそのまま何も無い空間を見つめ、次に俺を見た。
｢…轟｣
｢…？はい｣
｢見えなくても、聞こえなくても、お前の声は『彼女』にとどいている。
………いつでも話しかけてやれ、気が向けば磁気を合わせて姿を見せるかもしれない｣
｢！！…はい！｣
先生は、そのままフッと笑って家を出ていった。先生を見送りながら、姉さんがふと言った。
｢…あの人…見た目より優しいのね｣
｢………ああ、そうみたいだ｣
この日初めて、俺の中の先生が変わった。
一見ぶっきらぼうで、他人に興味が無いように見えて、実は誰よりも他人を見ているのかもしれない。
俺と姉さんは、先生の背中が見えなくなるまで見送った。
翌日、緑谷にその件を伝えると、緑谷は目を見開いた。
｢え？！先生が？！｣
｢おう｣
｢そっか…やっぱりあの先生はいい人なんだね…｣
｢…ああ、きっとそうだ｣
そして、その優しさを、彼女は決して表に出さない。それには事情があるのかはわからないが、それに対しても好印象がうかがえる。
…まあ、結構あの先生と話さねえとわかんねえけど。
｢あれ？でも…待って、轟くん先生に名前呼ばれたの？！｣
｢？おう、名字だけどな｣
｢そんな…僕や飯田くんたちは渾名だったのに！
しかも悪口混じってた！｣
｢そうなのか？｣
｢そうだよ！なにか理由があるのかな…？
だとしたらかなり絞られてくるぞヒーローと関係がある人は渾名じゃないとかそういうことかなブツブツブツ｣
｢(またか)｣
ブツブツモードに入った緑谷から目を逸らし、視線を窓の向こうへと向けた。『彼女』が着ていた着物と似たような色の花が咲いていた。風に揺られてゆらゆらと揺れる。
見えなくてもいい。聞こえなくてもいい。
俺はきっといつまでも『彼女』の名を呼ぶだろう。
｢…桜｣
いつかまた、俺たちの前に姿を現してくれる、その時まで。
────
私は轟が名字です(嘘)様、リクエストありがとうございました！！
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ちょこもち - リクエストです！雪女でマイク先生、よろしくお願いします！更新頑張ってください！ (2019年9月2日 19時) (
レス) id: cae02b46bd (このIDを非表示/違反報告)
ruki(プロフ) - リクエストなんですけれど、ぬらりひょんをお願いします!! 飯田君がいいと思うんですよ!! (2019年2月8日 11時) (レス) id: 9e70f2105a (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 智さん» ああぁすいませんんん！！お気に召していただけたようで何よりですうう！！リクエストありがとうございましたああ！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
智 - 更新ありがとうございますぅぅぅぅ!!そして思っていたよりめちゃくちゃ面白いです!! (2018年6月24日 0時) (レス) id: f95649cda1 (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 智さん» 申し訳ありません、色々ドタバタしていて…書き出しますのでもう暫くお待ちいただければと…！！！本当に申し訳ありません！ (2018年6月4日 16時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
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