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「で、聞きたいことがある、閉ざす...いや、主よ。」
先ほどまでの人を見下すかのような表情ではなく、真剣に、目の前の少女を見る。
「あの夏が終わった時、女王たちの記憶を『閉ざしたのですか』?」
「ッ‼.........それ......は......」
少女の口からは、それ以上の言葉は発せられず、ただ泣きそうな顔をした。
それも、クロハを責めているのではなく、自分を責めるかのように......。
少しの沈黙の中、クロハがその沈黙を破る。
「なぜ、俺があなたを『主』とよんでいるか、わかりますか?」
(クロハ...?)
昔の彼からは想像もできない、やさしい声でそう聞いてきた。
「俺は、あいつらを何回も殺した。それを、あなたは何回も見て、俺を憎んだ。
それが運命だと、自分を守るためにそう思っていたんです。
だが、いつの夏からか、あなたは俺すらも守ろうとし始めた。
そして、今回の夏、あなたは知れを成し遂げた。」
だから、とクロハは続ける。
「俺は自分と意志と女王たちの意思で、あなたを主とさせた。
あなたを守るために.........」
もう、苦しまなくさせるために、とそういった。
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チア - 返信、遅くなってすみませんでした。面白いと言ってくださった、人形師さん、猫かぶり少女さん、ありがとうございます。これからも頑張ります。 (2019年11月6日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり少女(プロフ) - え?こんなに面白いのにお気に入りが21人?うっそぉ… ホントにこれ面白いです!うちもカゲプロの曲よく聞きます!めっちゃ好きです!続きすごく楽しみにしてます!頑張ってください(*>ω<) (2019年10月9日 21時) (レス) id: 44cf0b06c7 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 面白いです!続きが気になります。 (2019年10月2日 7時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。貴方には違反だという意識はありますか? (2019年9月9日 16時) (レス) id: f0d624402c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チア | 作成日時:2019年9月9日 16時