3話 自分のこと ページ5
貴女 side
五条｢って感じで拾ってきちゃったって訳。｣
貴女｢…呪力、でしたっけ。｣
五条｢そそ、呪力ね。君も変な化け物とか見えるでしょ？｣
変な化け物、、確かに小さい頃から見えていた。
幽霊、とは違うのかな。
五条｢あれね。呪霊って言って、呪いなんだよ。呪いにも種類があってね？階級もあるから…｣
と説明をしてくれる。
なるほど、いちばん強いのが特級？なのか。
じゃあ小さい頃のアレは特級と呼ばれるものなのだろう。
五条｢そして君には呪力も術式も備わってる。｣
貴女｢術式…？｣
五条｢そう、術式。生まれつきのものがほとんどだけどね。Aの術式は見たことないよ。｣
貴女｢どんな、でしたか？｣
そう問うと伏し目がちに五条さんは教えてくれた。
五条｢んー、僕が見たのは一つだけだから他にどんな術式を持ってるか分からないけど。反転術式だね。｣
貴女｢反転術式…？｣
五条｢そ、反転術式。分かりやすく言うと反転術式は呪力によって治療するためにある術式だね。本来なら、呪力は人間にとってはマイナスなものだけど、反転術式は呪力×呪力=正のエネルギーって感じ。そのエネルギーによって回復するの。｣
貴女｢なるほど、…無意識に使ってたんですね｣
五条｢そうだね。僕が来た時も気絶した後に術式が発動していたから。術者が気絶しているのに術式が発動したなんて初めて見たよ。｣
…たぶん小さい頃。あの呪霊と出会うまでは普通に怪我もしていたし、すぐ治ることなんてなかった。
あの呪霊に会ってから勝手に術が発動して
どんなに痛い致命傷を負っても
私を
ﾀﾋなせてくれなくなった。
どうせならいっそのことﾀﾋにたかった。
そんな思いが消えなくてずっとﾀﾋのうと努力してきた。
結局、ﾀﾋねなかったけど…。
五条｢ねえ、A。呪術高専に来ない？｣
貴女｢え…？｣
思ったより素っ頓狂な声がでた。
五条｢自分の力のこと、まだほとんど知らないんでしょ？｣
貴女｢そ、うですね。｣
五条｢じゃあ、学ぼうよ。表向きは宗教系の高校だけど、ちゃんと呪術の事を学べる日本で2校しかない特別な学校だよ。僕、そこで1年生の担任してんだよね。｣
五条さんは私の手を両手で握って笑いかけた。
五条｢Aなら凄い呪術師になれるよ。｣
貴女｢…頑張れば、解放されますか？｣
五条｢どうかな。でも希望は少しあるよね？｣
貴女｢行きます。｣
五条｢そう来なくっちゃ｣
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作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=nakano12125 作成日時：2021年5月13日 1時
