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最後の日も mtmt ページ18

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学生設定です



Genta side



青「おっじゃましまーすっ!」

バーン!と扉を開け放ち、この部屋の主に挨拶をする。

橙「うおっ!ビックリした!」


主は最近お気に入りの本を片手にコーヒーを飲んでいた。


橙「なんだ、元太か。」


青「なんだって、何さ〜。せっかく来てあげたのに...」


橙「昨日も来てただろ」


呆れ顔で呟く海斗の言葉は笑って受け流した。


青「あーあ、最後の夏休みだったのになんにもできなかったなぁ」


橙「まぁ、仕方ないじゃん。何だかんだいって俺もお前も忙しかったんだから。しかも、お前は最後の夏休みじゃねぇし」


青「あは、そーだね。海斗はインターン行ってたし、俺は部活漬けだったからね」



海斗はこの夏休み、服屋のインターンに行っていた。


専門と就職で悩みに悩み抜いた末、就職へと舵を切った海斗。


俺は、サッカー部の練習が毎日続いた。


夏の大会の結果は思う様には行かなかったけど、少し成長出来たから、まぁ充実した夏休みだったと思う。


青「でもね、海斗」


橙「ん?」


青「今年は海斗と過ごす"最後の夏休み"だったんだよ」



海斗がもし専門学校に標準を当てれば後2年猶予はあるけれど、就職を決めた海斗とは今年が最後の夏休みたったのだ。


橙「最後って、大袈裟だなぁ。一応社会人にもお盆休みというものがあるんだぞ」


"最後の夏休み"の重みを全然分かっていない海斗はヘラヘラと笑う。


青「いやいや、知ってるわ!ってか盆休みって1週間くらいしかないし!」


橙「1週間もあれば充分だよ」


きゅっと口角が上がって俺に笑いかける海斗の瞳はキラキラと輝いて

何故か期待に溢れているようだった。


青「なんで」


橙「えぇ、だって、夏休みって言ったって結局元太は部活漬けだし。休みは盆の1週間と夏休みの終わりの2日くらいしかないじゃん?」


青「そうだけど」


橙「俺が就職したら、元太との休みが被るじゃん。そっちのが良くない?」


ん?なんか頭がこんがらがってきたぞ。



橙「長い夏休みも元太と過ごせないなら、俺は要らないってこと。」


青「えぇーっと、要するに海斗は俺の事が大好きってことだよね?」


ほんのりと期待を混ぜて問うと、意外にも海斗は笑って頷く。


俺は堪らなくなって海斗に飛びついた。



青「何でそんなに素直なの?」


橙「最後の日だからかな」



切なさと気だるさと明日からの期待と不安を乗せた海斗の声はいつもより長く俺の耳に残っていた。


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作者名:ほのぼん | 作成日時:2021年2月10日 23時

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