甘くて緩い（仮） (ページ1)

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甘い匂い　mtmt ページ1

Kaito side

冷蔵庫を開けると甘いチョコレートの匂いがした。

今日は2月14日。

そう、バレンタインデーだ。

恋人の元太と迎える初めてのバレンタインデー。

思い切って手作りのチョコレートを用意した。

元太は喜んでくれるだろうか。

パタン、と冷蔵庫の扉を閉めてソファに座る。

ガチャ

「ただいまぁー！」

玄関からドアの開く音と愛しい恋人の声。

パタパタと玄関まで駆けて笑顔で出迎える。

『おかえり、元太』

「ふふ、ただいま。海斗」

ギューと力強く抱きしめられた。

「ん？なんか甘い匂いがする」

クンクンと首筋に鼻を寄せられくすぐったさに身を捩る。

『チョコレート、用意した。』

「え、うそ、やったー！！ありがと！海斗！」

目を合わせて飛び切りの笑顔でお礼を言われてまた抱き寄せられる。

喜んでくれた。良かった。

ギュッと元太の背中に手を回して

『そんなに喜んでもらえると思ってなかったから何か俺も嬉しい...』

「何言ってんの、バレンタインデーに彼女がチョコ用意してくれて喜ばない男なんていないから！」

真っ直ぐに伝えられる言葉に嬉しくて泣きそうになった。

それをグッと堪えて、元太の腕を引っ張る。

『食べよう？チョコレート』

君と初めて過ごすバレンタインは甘い匂いに包まれていた

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