転生 ページ32
｢新星、少し低かったな、すまん。｣
盛り上がりが少し落ち着いたところで、北斗くん。
｢いや、打てればそれでいい。どんなトスでも最高のトスだ。頼むぞ、司令塔。｣
一点、一球、全てに魂を込めて。
｢あぁ、任せろ。｣
軽くハイタッチを交し、ポジションへ戻る。
どこかで見ているかい、天才セッターくん。
俺にトスを上げたいなら、最高に優秀な北斗くんを超えてくれなきゃ困る。
それから、俺を囮にし南くん。
ブロックアウトに反応する東くんのスーパープレー。
司令塔である北斗くんの繰り出すツーアタック。
千鳥山3年ズの攻撃が白鳥沢へと降り注ぐ。
1セット目は25-22で勝ちを収めた。
ー
｢油断するなよ、新星。｣
｢僕は新星くんに負けないくらい走るね。｣
｢いつでも打たせる準備はしてる。｣
頼もしい3年ズ。
｢あとは、勝つだけだ。｣
4人で拳を合わせ
いつものお決まりのセリフ。
｢｢｢｢俺たちは、自由だ。｣｣｣｣
この一体感もたまらない。
ー
｢“オーライ”！！！｣
俺は飛び上がる。
俺を警戒しろ。
もっと俺に集中しろ。
もっと俺を見ろ。
俺を、止めて見せろ！！！
ﾄﾞﾀﾞｧﾝｯ
ﾋﾟｯ!
2セット目出だしは好調。
10-7
暴れ回る新星ナツメ
それを止めようと警戒する白鳥沢。
その構図は、新星ナツメの…千鳥山の思う壺。
彼らは待っている。
南くんがフリーになることを。
新星ナツメにブロックが食いつくことを。
そして南くんと新星、どちらを警戒していいのか分からなくなる瞬間を。
ずぅっと、待っている。
草陰に潜む肉食獣のように、
暗闇から獲物を狙う怪物のように。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのと同じように、新星ナツメを見れば見るほど、新星ナツメもそれを見ている。
怪物は見逃さない。
自分に視線が集まってきていることを。
飢えた心はそれで満足しない。
もっとだ、もっと。
“俺を見ろ。”
｢“北斗くん”！！！｣
ついてくるブロック3枚。
そう、これだよコレ。
俺だけ見てたろ？
俺が打つと思ったろ？
このボールの本命は、南くん。
北斗くんの精密なセットアップは
南くんのポジションへドンピシャで。
ﾄﾞﾀﾞｧﾝ
ﾋﾟｯ!
ざわめく会場、喜びの俺たち、困惑の白鳥沢。
混乱してしまえばチームは乱れる。
王者・白鳥沢
どう対処してくるか、良く学ぼう。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
