転生 ページ17
白鳥沢戦。
1-2の4セット目。
10-16で、圧倒されていた。
牛島さんがいるわけないのに。
その牛島さんに鍛えられた人達が強すぎる。
｢“オーライ”！！｣
状況を見て飛んでるかのように、
合言葉を挟んでいく。
ﾄﾞﾀﾞｧﾝ
ﾋﾟｯ!
11-16。
追いつくにはまだ遠い。
手を伸ばしても伸ばしても届かない壁は存在する。
俺も飛ぶ、
もっと高く飛んで、
もっと早く飛んで、
もっと囮のために飛んで、
ただひたすらに飛んで…
飛び続けた俺の体力は尽きかけている。
｢大丈夫か？新星。｣
北斗くんが声をかける。
荒い息を、熱い体を冷ますように呼吸をする。
｢…はぁっ、まだ、…飛べる。｣
まだ吐いていない。
まだ倒れていない。
筋肉は固まりつつある、
荒い息は喉を刺激する、
足は鉛のように重くなっている、
｢俺はっ、…はぁｯｯ、……飛ぶことをやめない。｣
だからボールをくれ。
囮として飛ばさせてくれ。
ブラフとして動かしてくれ。
俺を最大限に利用してくれ。
それで俺たちが勝てるなら、
先輩たちがもっとコートに居られるなら、
先輩たちがもっと試合をできるなら、
俺は後悔しない。
ー
俺たちは飛び続けた。
高い壁に手が届くように腕を伸ばして。
少しでも高く。
東くんの上げたボールが綺麗な放物線を描いている。
眩しいくらいのライトがそのボールを照らしている。
｢“俺”。｣
気がつけば声に出ていた。
気がつけば体が動いていた。
意識的に動こうとすると、鉛のような足は動くのを嫌がるのに、本能で動いたその時は、いつも通りの体だった。
飛べる。
ここで決める。
もっと俺に警戒を集中させる。
ブロック2枚が着いてきている。
北斗くんは何を思ったのか、
ボールはいつもより高めだった。
でも何故か、届いたんだ。
手のひらにぴったりと触れたんだ。
ﾄﾞｺﾞｫｯ
ﾋﾟｯ!
12-16
巻き返す。
這い上がりたい。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
