転生と王様 ページ14
ﾋﾟｯ!
相手が狙うのは南くんあたりだろうか。
そんなことを思いながらも試合に集中する。
何となくだけれども
相手の考えることは分かる。
俺にボールを触らせなければいい。
俺のマークを増やし、他を自由にさせることで
セッターは俺以外にボールを渡すという流れを作りつつある。
厄介なことをしてくるね、北川第一。
俺は勝つためなら、仲間が喜ぶなら、
俺は何でもするし、なんでも使うよ。
みんなと大会前に話し合った。
俺のマークが増えた時の対処方を。
｢“北斗くん”！！！｣
打たないパターンその1。
｢新星が来るぞ！！！｣
俺を警戒して相手チームの2人が俺についてくる。
そのうちの一人は天才セッターくん。
でも俺は残念ながら囮。
本命は南くん。
俺を警戒してくれてありがとう。
ーーー
｢北斗くん！！｣
動いた。新星ナツメが動いた。
逃がさない。
絶対に通させない。
その時の俺はボールを見ていなかった。
あいつの声で、俺たちの思考は一気に新星ナツメに囚われた。
ボールはその時、新星ナツメの反対側へと運ばれていた。
飛び上がる新星ナツメの表情は
満面の笑み。
心底嬉しそうに、目尻も口角も上げていた。
こいつは、自分を囮にしてっ…！！
ﾄﾞﾀﾞｧﾝｯｯ
気づけばボールは俺たちのコートに落ちていた。
｢……｣
｢……｣
お互いに何を言うわけでもなく、ただ睨み合う。
先に逸らしたのは新星ナツメの方だった。
｢…おい。｣
｢…なに？｣
俺が声をかけると、低く、不機嫌そうな声が返ってきた。
｢お前には、どこまで見えているんだ。｣
｢…意味不明、俺は暇じゃない。｣
相手にならないと言うように俺に背を向けて
先程得点を決めた選手の元へ汗を拭いながら歩いていく。
この取り残されたような感情を、俺は知らない。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
