転生 ページ13
コートを移動し、第2セット。
1セット目をおさえた俺たちの表情は明るい。
このまま乗り切りたいところ。
｢…………集中。｣
俺は勝つためにここに居る。
俺は試合に出れない先輩の思いも背負っている。
俺はみんなのおかげで自由に動けている。
俺はそのみんなを支えたいからここにいる。
そして俺はバレーを楽しむためにここにいる。
自己暗示とは使い方によっては集中力を高め、目的を明確にさせる。
使い方を誤れば、自分を押し潰しかねない危険な思想。
｢ふぅーーー……俺は自由だ。｣
ーーー
ーー
ー
相手のコートはお通夜のような空気が漂っている。
あんなにも重たい空気では、飛ぶにも飛べないような気がするが、まぁそれは知らないこと、知らなくていいこと。
｢勝ちたければ俺に従え！！｣
コート内にピリついた空気も流れ始める。
天才セッター君が声をはりあげていた。
そんな言い方じゃ、みんな離れてしまうよ。
｢新星ナツメがなんだ！！｣
おっと、俺の事をそんな大声で話すもんじゃないよ。
｢同じ人間であることには変わらない！！｣
まぁそうなんだけど、言い方ってもんがあるでしょ。
叱咤激励にしては叱咤が多すぎると思うけど。
ここで口を出すのも野暮だな。
俺はそのまま聞き流し、ポジションにつく。
なんとも言えない空気を破るのは笛だけ。
さて、試合をしようではないか。
ーー
3-2
ﾋﾟｯ!
1セット目よりもラリーが続く。
俺の攻撃にも慣れが出てきたため、得点にはなかなか繋がらない。
｢ふぅーー…｣
流れる汗を拭い、相手からのサーブを待つ。
あと4回ローテーションを回さなければ、
超攻撃型ローテには戻らない。
相手にマークされているため、なかなか自由に動くことが難しい。
さて、どうしたものか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
