転生 ページ12
俺は以前、練習中に話し合わなければいけないことを
見つけた。
そしてその相談相手として
｢北斗くん、ちょっといいかな？｣
｢なんだ新星。大丈夫だ。｣
セッターの北斗くん。
その内容は、俺のマークが増えた時について。
県大会ではまず間違いなく、俺が活躍すればするほど俺を警戒するチームが増えるだろう。
今までもそうだったことを考えると決めておいた方がいいこと。
それは合言葉である。
｢ってな訳で、何か決めたいんだけど…俺一人じゃなんも決まらなくて。｣
｢そういうことならみんなで話した方がいいだろう。｣
千鳥山バレー部全員で話し合うことになった。
念の為複数のパターンを考えた方がいいということで、30分くらい話しただろう。
傾向と対策。
試合の流れが勝ちに進めば進むほど、
俺と言う存在が知られれば知られるほど、
俺という武器は封じられる。
であるならば、
俺という武器の使い所を
俺自身が見極め、欺き
俺自身を囮にしてしまえ。
｢千鳥山が勝ち進めば進むほど
その相手が強くなればなるほど、相手は俺を封じに来るだろう。｣
俺はどんな顔をしているだろう。
｢千鳥山は、みんなは俺を自由にさせてくれる。
でも相手は俺を自由にさせないようにしてくる。｣
きっと間抜けた顔だろう。
｢1セット目は俺を全力で自由にして欲しい。
俺はその1セット分、全力で得点を稼ぎに行く。
2セット目からは、俺を利用して得点を稼いでほしい。、｣
改めてみんなの顔を見ると、真面目で真剣な表情をしていた。
｢3セット目はどうする？｣
｢上手く利用出来るかはお前の囮としての働きにかかってるぞ。｣
｢1セット自由にするくらいなら、いけるな。｣
みんな思い思いに話し始める。
俺は本当にこのチームでよかった。
俺はこの人生、恵まれすぎている。
｢上手く使ってくれ。みんなが思うように動きたいから教えてくれ、練習もしよう。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
