高専生田中の日常

田中 ページ6

彼女の足元から茨が無数に現れ、それは呪霊目掛けて一心不乱に向かっていく。


いきなりのことに何が起きたか分からない呪霊。


『ターリア(いばら姫)の呪い。』



茨に囚われた呪霊はそのまま火で炙られる。


『お前はターリア(いばら姫)を殺そうとした、双子の日(ソーレ)と月(ルーナ)を殺そうとした、悪いのは浮気をした王様なんすよ、……』



『知ってたっすか？いばら姫の本当のお話。』



少し悲しそうに笑うソラ。



【どういう、ことだ、、、】



未だ燃やされ続ける呪霊。



最期の問いに答える。




『自分の術式は、誰ガ為ノ物語(だれかのおはなし)。
自分の知る全ての物語を倣い、具現化することが出来る。』




『人間って怖いっすよね』



また悲しそうに笑う。




『でも呪霊さんも誰かを傷つけたなら、それに報いなければならないっす、だから、ごめんっすけど、



自分が倒すっすよ。』




燃える茨の刑。




『誰ガ為ノ物語(だれかのおはなし)、いつかは自分も物語になっちゃうんすかね〜』



そう呟くも、誰にも届かず。

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