高専生田中の日常 (ページ4)

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田中ページ4

『て言っても、あいつが狙いな訳じゃないんすよね〜』

どこだァ〜と言いながらまた足を進める。

彼女は一般の家庭に生まれながら、
呪術という類には学があった。

生まれながらにして視え、物心ついた時からそれを払い続けていた。

それが、何も知らないお祖母様からの教えだった。

【もし、見えぬ何かが視えるのなら、この世界には留めず苦しませずに逝かせてやりなさい。それは誰かの憑き物だからね。】

と、たまたま言ったことが当たっているらしい。

この偶然に偶然が重なった結果、天才的な呪術師が出来上がったのだ。

それが田中ソラ。

ーーー
ーー
ー

『んーと、どこにいるっすかねぇ？また姿消せるタイプっすかね？』

1人でうーんと唸りながら、怖気付くことも無く進み続ける。

薄暗い廃病院を淡々と進んで行く。

たどり着いたのは手術室。

『ここだけ視えるっすねぇ、、、
怪しい気配がプンプンしてるっす！』

その時の表情を例えるなら新しいゲーム機をもらった子供のような表情だろう。

『いるっすかー？』

もちろん呪霊は一部を除いて返事をしない。

【よく来たな人間。】

そう、一部を除いて。

『お、やっぱり居たっすかー！』