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田中 ページ28

「田中!!、」


「五条、今邪魔するな。田中を殺す。」


五条はその言葉を聞き、ピタリと黙る。



力のない田中の腕が見えた。

ぐったりとして、心做しかいつもより白い。



五条の頭の中を一気に心配事が駆け巡る。





このまま田中が、ソラがいなくなったらーー…







そう考えると、五条の思考は埋め尽くされる。




「…ソラ……」


七海は近くにあった椅子を五条の元へ運ぶ。



「五条さん、座った方がいいかと。」




七海の促しに従い、五条は椅子に腰かける。



「五条、今田中のことを全力で治している。
それでも最後は田中次第だ。それを覚えておけよ。」



田中のそばには血にまみれたマフラー。



田中はそれを離さないのだと言う。




生きるか死ぬか、それを決めるのは本人。





「……ソラ。
俺はお前がいないと、楽しくない。」




五条がそっと田中の握るマフラーを優しく撫で、握る。

田中→←田中



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作者名:肺の燻製 | 作成日時:2023年10月29日 21時

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