高専生田中の日常 (ページ24)

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田中ページ24

ーー七海・灰原土地神遭遇まであと…

あれから斧を警戒した土地神になかなか致命的なダメージを与えられずにいる。

体力の限界を初めて間近に感じる田中。

汗はもう出し切り、視界は揺れる。
脱水症状だ。

判断力も鈍り、攻撃を避けることが出来ず、受け流し続けた。

『……きっつ、いっ、…すね。』

呪力はもう底を尽きかけて、防御として纏うことも
黒閃を出すのももはや難しい。

『これ、すぐ倒しちゃう五条先輩は、さすがっすね。』

時間軸の違う五条に賞賛を送る。

そんなことを考えていると、土地神の攻撃をもろにくらい、壁にめり込むほど吹っ飛ばされた。

もう目を閉じてしまおうか。

ーーー
ーー

誰かのあらそう音が聞こえる。

誰かが戦ってる音が聞こえる。

その一心で七海と灰原は走る。

目的地到着時、帳がすでに降りていることに気づき、
七海と灰原はひたすら走る。

そしてふたりが目にしたのは壁にめり込んだまま動かない誰か。

ーーー
ーー
ー

｢田中！！！！｣

その声で田中は飛ばしかけた意識を戻す。

死なせてはいけない人の声。

『…間に、合わなかった、すか。』

田中はゆっくり目を開ける。

そして田中は立ち上がる。

『……灰原さん、七海さん』

もう霞んで見えていない目を2人に向ける。

『出会えて仲良くなれて良かったっす。』

はたして、笑えていただろうか。