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田中 ページ23
ーーー七海・灰原 土地神遭遇まであと1時間。
田中は考えていた。
時間が無いという焦りから、思考が上手く回らない。
術式反転は使えない。
使えば間違いなく自分が物語になってしまう。
かと言って領域展開で勝てる気もしない。
小出しで攻撃し続けるしか選択肢はなさそう。
早くしなければふたりが到着してしまう。
『ほんっと、焦るって良くないっすね！
体調はまだ万全では無いにしろ特級呪術師。
術式だけではなくフィジカルでも評価された田中。
斧を振るなんて御茶の子さいさい。
斧に呪力を乗せ、正確に打ち出す。
『吹っ飛べっすよ』
地面を割る程の威力で斧を土地神の右前脚を叩き切る。
そんなことが出来るのはこの時期田中だけだろう。
土地神は唸り声をあげる。
1時間かけてやっと足ひとつ。
田中は頭が割れるくらい考える。
もしかして、
もしかして、？
ーーー
ーー
ー
同時間、七海・灰原
｢もう少しかかります｣と補助監督が言う。
渋滞に引っかかったようだ。
まぁそれは運なので仕方がない。
七海と灰原は資料に目を通す。
一級呪術師案件。
という文字が書かれた資料に。
ーーー
ーー
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2023年10月29日 21時
