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田中 ページ21

夜が明けた。
夜は明けたが日の出る前。

血の汚れは付いたままだが、五条の香りのするマフラーを身につけ、医務室を出る。



()の時間軸では、灰原も夏油も既にいなかった。
今この時間軸(・・・・・・)には灰原も夏油もいる。


『いやぁ、スカウトの時期を早めるの大変だったっす〜。』



あの時期(・・・・)の五条を目にした時、仲良くなれるか不安だった。


()の時間軸では見事に失敗し、仲良くなどなれなかった。



少し田中の秘密に迫ろう。


ーー



田中は簡単に言うなら前世で彼ら呪術師と出会っていた。


しかしそれは灰原も夏油もいなかくなった後から入学した。




そして五条とも硝子とも仲良くなることも無く、七海とは壁ができたまま、卒業し、高専に残り、高専所属の呪術師になった。




そして12/24。



彼女は初めて夏油と出会い、その際の戦いで亡くなる。



その時、彼女の術式が目覚めた。





誰ガ為ノ物語(だれかのおはなし)







そう。




これは、




まぎれもなく、





田中ソラの物語である。




ーーー
ーー



『色んな任務に奔走した甲斐があったっす。』


全ては星漿体の事件がきっかけというのを前の時間軸で掴み、それを回避するため日本各地を周り手当り次第潰して行った。



『さて今後、どうなるっすかねぇ〜』



もう染み付いた話し方。
身についた考え方。
決して前の時間軸と一致させないようにと徹底した。



『今日は土地神っすか、やっと、…やっとここまで来たっす。』





日が昇る。
それはなんと神々しいことか。

田中→←田中



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作者名:肺の燻製 | 作成日時:2023年10月29日 21時

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