高専生田中の日常 (ページ15)

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田中ページ15

『ーーーーーーー黒閃！！！！』

相変わらず肉体派のパワーゴリラ系女子・田中ソラ

今回も今回とて、呪霊と拳で語り合う。
その勢いで、少し青いマフラーがズレる。

拳で語り合う系女子のくせに術式も強いなんて、チートもいいとこだ。

しかし今日の田中は少し様子がおかしいようだ。

いつもなら大きな独り言をころころ変わる表情と一緒に周囲に撒き散らしながら移動するというのに、今日はとても静か。

『ーーけほっ、ごほっごほごほっ、、はぁっ、…、、』

咳き込んだと思ったら、両膝に手をついてしまった。

その顔は酸欠か熱かで真っ赤だ。

田中はしんどそうに体を戻し、軽く咳をしながら呼吸を整えた。

『、あと2体、っすか。』

黒閃一発でかなり体力を持っていかれた様子。

それでも田中は進む。

青いマフラーを巻き直す。
今度はズレないように。

まだ大丈夫だと自分に言い聞かせ、まだいけると自分を信じた。

まだ大丈夫、まだいけるが危険とは知らずに。

『ーーっ！ごホッ、がハッ…はぁっ！？』

突然、腹部を貫かれた。

もちろんそれは呪霊のせい。

『…はぁっ、……まじっ、すか…』

腹部を押さえるも溢れ出る赤赤赤。

酸素を運ぶ赤血球が失われ軽い酸欠になる。

体調が悪いことも相まって視界が揺れる回る世界は廻る。