田中 ページ14
田中はあれからも五条の無理難題をこなし
「ソラ!次の授業サッカーしようぜ!!」
今日とて夜中に帰宅し、五条の部屋へ帰宅の挨拶をし、話して寝たはず…
『はいっす!五条先輩!!』
元気なご様子で。
冬の訪れを肌で感じる。
2人は色違いのマフラーをつけていた。
田中は青
五条は栗色。
五条がプレゼントしたものだ。
それを田中は大いに喜び、しっかり毎日身につけている。
『五条先輩!自分任務あるので20分しかサッカーできないっす!』
寒空の下、田中の声はよく通る。
サッカーボールを持った五条の耳にしっかり届く。
「あ、そーなの??術式ありサッカーしようと思ってたのに。」
そんなサッカーがあったら、一生五条の元にボールが行くだろう。
『え!楽しそうっすね!でも補助監督さん待たせたら良くないので20分しかできないっす、、』
少し寂しそうに笑う田中に五条は強く言えない。
「なら田中が帰ってきたら、みんなで鍋でもやるか。
…だから早く終わらせろよ。」
五条はボールを小脇に抱え、右手で優しく田中の頭を撫でる。
それが少し恥ずかしいのか、マフラーに少し顔を埋めたまま赤い顔で
「…はいっす、五条先輩」
はにかんで笑った。
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作者名:肺の燻製 | 作成日時:2023年10月29日 21時