31 ページ31
・
それから俺達は、定期的に食事に行っては、俺の家に帰って少し話してから彼女を自宅近くの駅まで送る、ということを5回ほど繰り返した。
最初こそ俺の存在を拒んでいた彼女も、だいぶ受け入れてくれるようになっていた。
それを強く意識したのは、4回目に行ったレストランで、あまり強くないお酒を少しずつ飲む彼女を、揶揄った時だった。
この日は、家から徒歩で行ける距離のお店に行って。お酒を初めて2人で飲んだ日だった。
・
『Aは、ほんとに少しずつお酒を飲むよね』
少しにやけながら言う俺に、彼女はいつものように口を尖らせる。
「それは、一気に飲むと、酔い過ぎちゃうから、」
「目黒さんだって、そんなに飲んでないじゃないですか」
『俺は、Aに合わせてんの、』
『俺、酒結構強いからね』
そう言いながらグラスに口をつける。
「目黒さんは、ずるいです」
少し酔いが回っているのか、普段より潤んだ瞳で俺を見つめながら言う彼女は、やはり魅力的で。
『ねえ、いつまで俺のこと目黒さんって呼ぶの？』
そんな意地悪を言いたくなってしまう。
「え、目黒さんは目黒さんでしょ？」
いきなり何を言っているのか分からない、と言う風に眉を顰める彼女。
『俺はAって呼んでるから、俺のことも下の名前で呼ばないとフェアじゃないでしょ。』
「いや、だって目黒さんは年上だし、、」
Aは困ったように口を窄めて、お酒を飲む。
『いいじゃん、呼んでみてよ。俺がいいって言ってんだからいいんだよ。呼び捨てじゃなくたっていいから。』
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1447人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ごはん(プロフ) - かじられリンゴさん» 最後までお読み頂きありがとうございました💓拙い文章ですが楽しんで頂けて何よりです！今後もご縁があれば、是非お付き合いお願いします~笑 (2022年1月10日 17時) (
レス) id: eaea9ed564 (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(プロフ) - ららさん» そう言って下さり、嬉しいです♪是非長いお付き合いをお願いします~笑 (2022年1月10日 17時) (レス) id: eaea9ed564 (このIDを非表示/違反報告)
かじられリンゴ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！文章力？というか、物語の構成がとても面白くて読んでいて感情移入できました。ごはんさんの物語また見れることを期待しています((上から目線…？ｗ (2022年1月10日 11時) (レス) @page49 id: c1fb10ca7d (このIDを非表示/違反報告)
らら - めちゃくちゃ良かったです、、、！ 男性目線のお話も結構好きなので読んでいて楽しかったです！！ また“ごはん“さんの作品が読める事を楽しみにしています😆 (2022年1月10日 9時) (レス) @page49 id: d67a593831 (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(プロフ) - かじられリンゴさん» 嬉しいです~❤︎ありがとうございます、頑張ります♪ (2022年1月8日 20時) (レス) id: eaea9ed564 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ごはん | 作成日時：2022年1月6日 17時
