黒田ん子48 ページ11
観客席は既にいっぱいで二人は上の立ち見席からショーを見ることにした。
軽快な音楽と共に動き出すイルカたち。城井は目を輝かせて喜んでいた。長谷部はそんな城井を横目で見守る。
この先もっと彼女が見たことのないものを見せてやればきっと同じように喜んでくれるのだろうと。そんなことを考えながら。
「長谷部！早く来んね！」
「時間はあるんだ。そんなに急ぐな」
イルカのショーが終わり、次はいよいよ水族館の奥へと入って行く。城井はまたもや嬉しそうにはしゃいでいた。
「全く、今日のお前は落ち着きがなさすぎるんじゃないか」
「ん〜。だって楽しみやったっちゃもん。長谷部は違うと？」
並んで立ったエスカレーターの上で城井は長谷部を覗き見る。そんな彼女の仕草にうっかりぐっと来てしまった長谷部は顔を逸らしながら「前を見て乗れ」と返した。
エスカレーターを上がれば目の前には大水槽が現れる。大きな魚やサメ、エイが悠々と泳ぎ、穏やかなBGMとかすかな水音が心地いい。
「すごか……」
「ああ。見事だ」
背丈の何倍もある水槽を二人で見上げる。思わず息がもれ、見とれる。入ればサビてしまう海の世界がすぐ目の前に広がっている興奮に城井も長谷部も取りつかれた。
「綺麗やね」
「ああ」
「主に見せたら喜ぶかいな」
「きっと。だが、流石に本丸にこれは作れんぞ」
「わかっとるもん。でも、いつか一緒に行きたいな」
「そうだな」
次の所へ行こうと足を足を踏み出す。そこで長谷部は城井の手を取った。
「なん？どうしたと？」
「今日のお前は落ち着きがないからな。その見た目で迷子放送をされたくはないだろう」
「むっ、心配されんでも迷子にはならんもん。でも、ありがとう長谷部」
人に紛れて通路を進む。小さな水槽、大きな水槽、大きい魚、小さい魚。色々な生き物を見て城井は始終楽しそうだった。それを見ている長谷部の顔もいつもよりもどことなく柔らかかった。
最後に売店で審神者からのお使いであるぬいぐるみを買う任務をこなした。
「どうした、会計してくるぞ」
「ねえ長谷部」
城井はイルカの小さな人形が付いたボールペンを指さす。
「コレ、記念に買って帰らん？これなら雑務で使うし、無駄やないやろ？」
色違いのボールペンを城井はカゴの中に入れた。
「おい、まだ俺の意見を聞いていないだろう」
「いや？」
「いや、ではないが」
「なら決まり」
こうしてデートの目的地一つ目の水族館を後にした。
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time rain(プロフ) - 返事がない只の屍のようだ。さん» 初めまして。こちらこそ読んでいただきありがとうございます！さらに公式で兄さんが増えてしまった城井ちゃんの攻略は上がるばかりですね。長谷部は大変ですw (2021年12月23日 9時) (
レス) id: f96f3e1548 (このIDを非表示/違反報告)
返事がない只の屍のようだ。 - 初めまして！頑張れ！シュメイアラバー！！と応援しながら一気に読みましたw(*´∇｀*)素敵な萌えをありがとうございます！！セコムさんや小さい兄さんらも大好きですv(*^ω^*) (2021年12月21日 14時) (レス) @page8 id: 2157a47614 (このIDを非表示/違反報告)
のっぺらぼう - 心から続きを所望するのですが、どうか最後まで作品を完成させていただけませんか？ (2020年2月8日 15時) (レス) id: a6daf906d1 (このIDを非表示/違反報告)
のっぺらぼう - どうも、続きが楽しみで仕方がない民です。長谷部推しなのでこの小説はやばいです(褒め言葉) (2020年2月3日 4時) (レス) id: a6daf906d1 (このIDを非表示/違反報告)
time rain(プロフ) - カコさん» アイデアをありがとうございます！水族館いいですね！しかも、パフェアーンですと！？「黒田」と考えれば微妙ですが、「長船」と考えればやりかねないですね笑。参考にしてみます！！ (2018年11月30日 16時) (レス) id: f96f3e1548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：time rain | 作者ホームページ：http://id34.fm-p.jp/455/sigureneko/
作成日時：2018年11月23日 9時
