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顔合わせも終わり、7振で移動するのも他に迷惑が掛かるだろうと、蘇芳を案内するのは1振で、残りは歓迎会の準備を手伝いに行くことになった。
話し合いの末、豊前が案内、他は手伝いということに決まった。決して豊前が勢いに任せて料理を芸術作品に仕立て上げた過去があるからではない、と思う。
「よし、それじゃあ行くか」
「はい、豊前」
豊前の後ろを歩きながら蘇芳はチラリと豊前を見上げた。
「……豊前。そう、ちゃんと、ここにはいるんだ」
思わずこぼれてしまった言葉に慌てて口を抑える。
「ん？ どうした？」
「なんでも、なんでもない」
幸い豊前には聞こえていなかったようで、蘇芳はホッと肩の力を抜いた。
「それより、なぁ蘇芳」
ずいと豊前の顔が蘇芳に近づく。突然のことに驚いた彼女はパッと後ろに飛び退いた。それでもまだ距離は全然空いていない。
わずかな距離は一瞬で消えて、再び距離が近づく。
「なに、かな？」
赤い瞳が蘇芳を射抜く。これ以上は逃げられないと顕現したばかりでも本能とやらが告げているのがわかる。
「好きっちゃ。お前んこと」
「……え？」
蘇芳はポカンと口を開けた。出会って一刻も経たずに身内だと思っていた男士にこんなことを言われた女士は今まで一体何振りいただろうか。
「お前は覚えてねえかもだけどよ。何度か会ってんだ。その時からずっと。だから今回お前が来るって聞いて……」
「あ、主様ぁぁぁ！！」
「蘇芳！？」
豊前言葉が終わるのを待つことなく、蘇芳は駆け出した。
困ったことが起こりました。助けてください主様。
そして何より。
「豊前はそんなこと言いません！！！！」
そんなことを叫びながら蘇芳は走り去っていった。審神者の部屋はまだ案内していないからきっと迷ってしまうだろうが、豊前はあまりの勢いに呆気に取られ、追いかけることができなかった。
廊下に残された豊前は伸ばしかけた腕を下ろした。
「ん〜……ちいっと早すぎたか」
"はやいこと"はいいことだ。
それが信条の豊前にとっても今回ばかりは性急過ぎたかと反省した。
「逃げられちまうかなぁ」
それに他の江の者にも叱られそうだ。
「でもよ蘇芳」
俺の方が、ずっとはやいんだぜ
「まあ、少しずつ追いつけばいいっちゃ」
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yuuuuui_0131(プロフ) - 更新ありがとうございます！！本当に大好きです！！無理せずに更新頑張ってください！応援してます！！！！ (6月8日 21時) (
レス) @page23 id: 8c737f26a1 (このIDを非表示/違反報告)
time rain(プロフ) - らむさん» らむさんありがとうございます！あまり更新頻度は高くありませんが、完走できるよう頑張ります！ (2022年1月5日 9時) (レス) id: f96f3e1548 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 凄く好きです…！！！！更新を楽しみにしています！ (2021年12月28日 16時) (レス) @page6 id: 39bdeb846c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：time rain | 作者ホームページ：http://id34.fm-p.jp/455/sigureneko/
作成日時：2021年12月19日 12時
