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様子を伺っていた蘇芳の前に現れた遡行軍は三振。彷徨うようにふらりと現れた脇差と短刀の部隊だった。わずかに早く存在に気がついた蘇芳にわずかな利があり、素早く敵短刀一振へ切りかかった。
だが、向こうもやられっぱなしというわけにもいかない。短刀が破壊されたこともあり直ぐに反撃に出てきた。ちょこまかと空を舞う敵短刀が蘇芳の脇腹を掠める。鋭い敵脇差の突きが喉を狙って飛んでくる。既の所で躱すことに成功したが、髪を一房持っていかれてしまった。
「逃がさない」
でも近づいてきたのは好都合。躱した体制から器用に体を捻り、敵脇差の喉を一閃。断末魔を上げることもできずに崩れ落ちた。
脇差が倒れたことで不利だと判断したのか、敵短刀は逃げ出した。小さな体であるはずなのにクネクネと蛇のように空を素早く泳いでいく。
「待て！」
蘇芳慌てて追いかけた。人間たちの戦場からは離れた場所へ逃げていく短刀の後を必死で走る。
山に近いところへたどり着いたと思ったらくるりと短刀がこちらを向いた。一体なんだと蘇芳も立ち止まった所で残りの三方から別の敵短刀が飛び出してきた。
「誘い込まれたっ……」
ミスに気がついてしまったがもう遅い。打刀のリーチのお陰で一振は破壊に成功したが、残りの三振が迷わず蘇芳を狙い飛んでくる。ちくちくと削られていく体力と滲み出る血液に奥歯を噛み締めて耐える。
「ああ、煩わしい」
刀であった頃も見たことのない敵短刀の形状に戸惑いつつも一振に狙いを定めて頭と胴を切り離した。
すると、また残った二振が逃げ出した。
「……わかった。誘い込まれてあげる」
ここで逃せばこの時代の歴史改変がなされてしまう。それは避けなければならない。
蘇芳はお守りにそっと触れる。審神者の霊力を感じ、焦る心が少しだけ穏やかになった。
「守らなきゃ。だからね」
切られた脇腹がジクジクと熱を持ち走りずらい。でもまだ動ける。
白いシャツがじわじわと赤く染まっていくのを気がつかないふりをして、蘇芳は敵短刀の後を再び追いかけた。
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yuuuuui_0131(プロフ) - 更新ありがとうございます！！本当に大好きです！！無理せずに更新頑張ってください！応援してます！！！！ (6月8日 21時) (
レス) @page23 id: 8c737f26a1 (このIDを非表示/違反報告)
time rain(プロフ) - らむさん» らむさんありがとうございます！あまり更新頻度は高くありませんが、完走できるよう頑張ります！ (2022年1月5日 9時) (レス) id: f96f3e1548 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 凄く好きです…！！！！更新を楽しみにしています！ (2021年12月28日 16時) (レス) @page6 id: 39bdeb846c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：time rain | 作者ホームページ：http://id34.fm-p.jp/455/sigureneko/
作成日時：2021年12月19日 12時
